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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

五色台体験教室~初夏のバードウォッチング~

2025年05月30日
高松 竹本 末佳

五色台体験教室~初夏のバードウォッチング~

初夏の森で野鳥のさえずりを聞こう!

 みなさんこんにちは。
 今回は、令和7年度第一回目の五色台体験教室「初夏のバードウォッチング」のご報告です。
 昨年同様、日本野鳥の会香川県支部の方々にお手伝いいただきました。
 体験教室が始まって早々に朗報が!参加者の方が、ホトトギスを見かけたそうです。私たちも会えるでしょうか。
 
講師
右から講師の矢本さん、補助スタッフの西本さんです
クラフト
五色台付近で見られる野鳥のクラフト
 まずは矢本さんの座学からです。
 最近、朝目覚めると、鳥たちがたくさんさえずっているのが聞こえてきませんか。鳥たちのさえずりは繁殖行動です。ウグイスの「ホーホケキョ」や、メジロの聞きなし(※1「チョーベチューベチョーチューベ」など、この季節は様々な鳥のさえずりが聞こえてきます。なぜ5月に繁殖するのでしょうか。答えは「虫が多いから」です。雛がかえると親鳥はたくさんの餌が必要となります。虫たちがたくさんいる5月は子育てにうってつけなのです。たいていの鳥は年に1回の繁殖となりますが、ピジョンミルクというミルクを出すハトは年中繁殖が可能です。また、ツバメは年に2,3回繁殖します。巣作りでは卵や雛のことを考えて、巣の中はきめ細やかな作りになっていることや、鳥の種類によって鳥の卵はそれぞれ色が違うという説明がありました。
 最後に、巣から落ちた雛には親鳥がちゃんと餌を与えに来るので、触らないようにというお話がありました。人間が触ってしまうと人間のにおいが付いてしまうため、親鳥が面倒を見なくなります。決して触らないようにというお願いでした。

※1:鳥の声を、人間の言葉に当てはめて、覚えやすくしたもの
座学
展示物を使いながら丁寧に説明してくださる矢本さん
 ではいよいよ外に出て野鳥を観察しましょう!
 駐車場で、双眼鏡の扱い方を教えてもらいました。そこに、次々と野鳥が現れました。カワラヒワ、ホオジロ、ハシボソガラス、ミサゴ・・・「あ、あそこ!」「こっち見てみて!」など、参加者の皆さんが次々声をかけて、あっちをみたりこっちをみたり。ミサゴは足に魚を捕まえて飛んでいました。(写真ではわかりづらいですが・・・)
双眼鏡
双眼鏡の使い方を教わろう
ホオジロ
ホオジロのお気に入りスポット
ハシボソガラス
ミサゴ
ミサゴ(実は足に魚を掴んでいます)
カワラヒワ
 木道ではホトトギスとメジロのさえずりが聞こえてきました。森の中に入ると、声はすれども姿は見えずでなかなか野鳥たちには会えませんでしたが、木陰で鳥のさえずりを聞いていると、とても心地よい音楽を聴いているようで、心が癒やされました。
 その後、車道脇を歩いているときに、「ヒュー」という笛の音のようなさえずりが聞こえました。トラツグミです。それと一緒にホトトギスのさえずりも聞こえました。とても珍しい共演でした。
最後にビジターセンターに戻り、この日の成果発表となりました。
 この日、姿を見たり声を聞けた鳥は全部で15種類でした。その中で夏鳥は4種類でした。
 野鳥たちの繁殖期間はまだまだ続きます。私たちの家の近くでも、少し耳を澄ませば、朝からかわいいさえずりが聞こえてきます。出勤時のプチバードウォッチングも楽しいですよ!
 現在、五色台ビジターセンターでは「春から夏にかけてみられる野鳥たち写真展」を6月8日(日)まで開催中です。近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
成果発表
本日の成果発表
夏鳥
丸印は夏鳥です
展示
春から夏にかけてみられる野鳥たち写真展
五色台ビジターセンターでは、定期的に体験教室を開催しています。詳しくは五色台ビジターセンターのホームページをご覧ください。
 
瀬戸内海国立公園 五色台ビジターセンター