アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
五色台体験教室~五色台南嶺@国分寺でブラハセ~
2025年01月10日
高松
五色台体験教室~五色台南嶺@国分寺でブラハセ~
みなさんこんにちは。
今回は、10月と12月の2回に渡って行われた、五色台体験教室「五色台の地形・地質を知ろう」のご報告です。
今回の講師は、香川大学特任教授で讃岐ジオパーク構想推進準備委員会委員長の長谷川修一先生です。
今回は、10月と12月の2回に渡って行われた、五色台体験教室「五色台の地形・地質を知ろう」のご報告です。
今回の講師は、香川大学特任教授で讃岐ジオパーク構想推進準備委員会委員長の長谷川修一先生です。
10月に行われた座学では、ジオの視点からみる瀬戸内海について、その成り立ち、災害の記録、国立公園となった景観、五色台を含む香川県の地形地質などについて学びました。
瀬戸内海や香川県におむすび山が多いのはなぜか、頂上が平らな山が多いのはなぜか、白砂青松が多いのはなぜか、石文化が広まったのはなぜか、などなど、ジオを学べば地域の魅力を発見できて、そのつながりをストーリーとして語ることができる、ということを学びました。知れば知るほど奥深いのです。
それを踏まえての12月のフィールドワークでした。この日は天気も良く、山々の紅葉もとても美しく、まさにフィールドワーク日よりでした。
讃岐国分寺跡資料館にて集合し、まずは国分寺跡の見学からスタート。
瀬戸内海や香川県におむすび山が多いのはなぜか、頂上が平らな山が多いのはなぜか、白砂青松が多いのはなぜか、石文化が広まったのはなぜか、などなど、ジオを学べば地域の魅力を発見できて、そのつながりをストーリーとして語ることができる、ということを学びました。知れば知るほど奥深いのです。
それを踏まえての12月のフィールドワークでした。この日は天気も良く、山々の紅葉もとても美しく、まさにフィールドワーク日よりでした。
讃岐国分寺跡資料館にて集合し、まずは国分寺跡の見学からスタート。
国分寺は天平時代、聖武天皇の命により各国に建てられた官営の寺です。建造物の礎石が多数残っています。その礎石が安山岩です。ではその安山岩はどこからきたのでしょうか。山頂から削って運んできたのでしょうか。答えは後ほど・・・
国分寺跡から西に見える蓮光寺山の山頂では昔サヌカイトが採取できていたそうです。そして、国分台上にもサヌカイトはあります(こちらも現在では採取できません)。ということは、元は蓮光寺山と国分台は繋がっていた、ということになります。元の形が崩れて別々の山となったのです。
さて、国分寺跡から国分台をみていると紅葉の時期にはっきりわかる事がありました。皆さんはこちらの写真から何か気付きますか?
さて、国分寺跡から国分台をみていると紅葉の時期にはっきりわかる事がありました。皆さんはこちらの写真から何か気付きますか?
まず、上部赤○部分と下部黄色○部分ではで紅葉の色が違ってます。これは、上部と下部では地質が違うために植生が異なることを示しています。ではなぜ黄色○の間に赤○の植生があるのでしょうか。
正解は、元は黄色○の植生であった部分に赤▽部分が流れ込んだことによってみどりの△の植生になった、です。紅葉の時期だからこそわかる、山の崩れ方でした。様々な視点から地形地質を考える、長谷川先生のとてもわかりやすい説明に参加した皆さんも一様に納得です。
では「白い崖」目指して移動開始です。途中、道ばたに安山岩が多数見つかりました。山から崩れて土石流となり落ちてきたものです。先ほどの国分寺の礎石の答えは、山頂から切り崩して運んだのではなく、このように土石流になって麓まで運ばれてきたものを使用したのだと考えられます。
場所を移動して、「白い崖」に到着です。
では「白い崖」目指して移動開始です。途中、道ばたに安山岩が多数見つかりました。山から崩れて土石流となり落ちてきたものです。先ほどの国分寺の礎石の答えは、山頂から切り崩して運んだのではなく、このように土石流になって麓まで運ばれてきたものを使用したのだと考えられます。
場所を移動して、「白い崖」に到着です。
不思議なことに、この周辺だけ真っ白な崖です。「国分寺カッパドキア」や「白い崖」と呼ばれています。五色台の北側の地層は標準的な地層で、下から花崗岩→凝灰岩・凝灰角礫岩→安山岩という順に並んでいます。ただ、凝灰岩は深くても10-20メートルしか堆積していません。しかし、この白い崖は100メートルほどの高さがあります。分厚くて傾いているのです。なぜなのでしょうか。諸説考えられる中には、五色台にあったカルデラ(火山の活動によってできた大きな凹地)の内部で局所的な火山活動が起こり、それによって形成されたのでは?という説もありますが、未だに謎なのです。
歩く先々で秋の植物も多数見られました。ネズミモチやフユノハナワラビ、ダイオウショウには大きな松ぼっくりがついていました。
最後に、「ここから花崗岩」の場所に到着しました。五色台は様々な岩質が入り交じっている不思議な地形です。長谷川先生も、「まだまだ掘って調べたいところがたくさんある」とおっしゃっていました。
五色台だけに限らず、地形地質に興味を持って、香川県のみならず色々な土地の地形地質を学んでいくと、また楽しい発見があるかもしれませんね。
ご参加いただいた皆様、そして講師の長谷川先生、楽しい時間をありがとうございました。
五色台だけに限らず、地形地質に興味を持って、香川県のみならず色々な土地の地形地質を学んでいくと、また楽しい発見があるかもしれませんね。
ご参加いただいた皆様、そして講師の長谷川先生、楽しい時間をありがとうございました。