アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

　みなさんこんにちは。
　今回は五色台体験教室「冬虫夏草入門講座」のご報告です。
　本日の講師は日本冬虫夏草の会の嶋田友久さんです。

　冬虫夏草の知識が全くない私･･･現在展示中の五色台ビジターセンター内の企画展を見て予習。見ているだけでもほんとうに不思議な世界です。では詳しく講座を聞くことにしましょう！

　冬虫夏草、聞きなれない言葉ですよね。いったい何なのでしょうか。中国での冬虫夏草は、チベット等に生息するオオコウモリガの幼虫に菌が寄生して発生するキノコ（オフィオコルディセプス・シネンシス）のみを指す言葉となっていますが、日本で冬虫夏草と呼ばれるものは、虫を栄養として育つキノコすべてをさします。
　では冬虫夏草はどのような生活サイクルを持っているのでしょうか。有性生殖と無性生殖の二つのサイクルがあり、同じ虫に同じ菌がついても、生活サイクルが違うと冬虫夏草の名前も違います。そして、大事なのは、虫が違うと付着する菌も違う、ということです。そのため、セミがいなくなってしまうと絶滅してしまうような菌もあるのです。そして、冬虫夏草が育つには湿度と温度が一定である、という絶妙なバランスが必要です。では、冬虫夏草はどのようなところで見つけられるのでしょうか。

　今回も森の中に入るため、虫よけは必須。マダニに注意することや、危険な野生生物の説明等を受けて、注意しながらフィールドワークに出かけました。

　10分ほど歩いてスポットに到着です。嶋田先生に教わりながら、冬虫夏草が見つけられそうなところの落ち葉をよけつつ探していきます。
　最初の発見は「セミノハリセンボン」です。白くてチクチクしたような1本1本が子実体です。本当にセミから出ていて驚きです。そのあとも発見が続きます。「ツクツクボウシタケ」を発見しました。

　参加者の皆さんも真剣に探していました。結果、6つの冬虫夏草を発見することができました。

　クラフトハウスに戻り、冬虫夏草の保存の仕方を教わりました。
　まずは水洗いです。水道水でOK。泥をしっかり洗い落としましょう。泥を落とすことでほかの菌が繁殖するのを防ぎます。ティッシュで巻きます。乾ききると折れてしまうので注意しましょう。冷凍庫でそのまま保存します。種類にもよりますが、1か月ほど置きましょう。冷凍庫から出したらそのまま乾燥剤を入れて完成です。ほかの菌が繁殖してはいけないので、冷蔵庫に入れないこと。

　冬虫夏草の魅力について嶋田先生がお話してくれました。形の面白さ、色彩が多彩、種の多さ、希少性、神秘性、どれをとっても本当に魅力的！バッタの冬虫夏草は日本にはいないこと、カマキリの冬虫夏草は卵はあっても成虫は無いこと、地域で見つかるものが違うので、見つけた時の感激はひとしお！ということ･･･探すことが本当に楽しいそうです。
　皆さんもちょっと湿った落ち葉や、朽ち木をそっとはぐってみてください。もしかしたらそこに冬虫夏草が隠れているかもしれません。今まで発見されたことのないような冬虫夏草が見つかるかもしれませんよ！
 
　五色台ビジターセンターでは様々な体験教室を実施しています。ホームページに掲載している気になる体験教室に是非ご参加ください。
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