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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

どんぐり拾って自然観察会

2021年11月22日
瀬戸内海国立公園 辻優子

AR日記をご覧のみなさま、こんにちは

今回は、徳島県の鳴門公園内で行われた森林自然観察会の様子をお知らせします。

この観察会の参加者は、地元、鳴門市の小学校3年生です。引率の先生方や保護者の皆様と一緒に大型バス2台で鳴門公園にやってきました。

まずは、楽しいドングリ拾い。ウバメガシのドングリが道ばたにたくさん落ちています。今年は大勢が一生懸命拾っても、拾いきれないほどの大豊作です。

どんぐり拾いをする子どもたち

最初の展望台に着いたら、徳島県植物誌研究会会長の木下先生からのお話しです。先生が配ってくれたのは鳴門ウチノ海総合公園で拾ってきた「食べられるドングリ」。マテバシイ、スダジイ、ツブラジイ。「食べられる!」ということで興味津々の子どもたち。焙烙で煎る方法の他、紙の封筒に入れてレンジでチン、というやりかたでもおいしいとのことでした。

あと、ホルトノキ、ムクロジの実についても教えていただきました。

子どもたちに説明をする木下先生

後半は、徳島県立佐那河内いきものふれあいの里の自然観察指導員である市原先生の生き物のお話しです。「何が入っているのかな?」代表の児童は箱の横から手を入れてみます。見ているみんなは箱の窓から見えるので何かわかっています。その反応を見てこわごわ手を入れると・・・

1回目は鹿の角、2回目はスズメバチの巣が入っていました!

子どもたちに話をする市原先生

話が終わって移動中、生き物を見つけて披露する市原先生。子どもたちの「ギャー」という叫び声が聞こえたので何かな?と近づくと・・・

生き物を見せる市原先生

おなかの大きなジョロウグモ。卵を今から産むのかな。

ジョロウグモ

移動先は鳴門山展望台。鳴門公園の中で一番高いところにあるので見晴らしは最高です。

また、ここは、野鳥観察に最適な場所。「鳴門大橋の鉄塔にハヤブサがいることがあるよ」と市原先生に教えていただき、単眼鏡を目に捜してみますが、この日は見ることができませんでした。見えるのは優雅に風に乗るトビたちばかりです。

「鳴門には何度も来ているのに、こんないいところがあるなんて知らなかった」とは保護者の方の感想です。せっかくの高台の展望台がもったいない!

鳥を探す子どもたち

この展望台までの道は、小学生たちが通った道とは違いますが、駐車場近くの階段を上がって、高速道路を横切る橋の手前から上るコースがわかりやすいです。鳴門公園には展望台があちこちにあるのですが、ここは「鳴門山展望台」を目指してください。

右は渦の道、左は鳴門山展望台

階段をがんばって上ったご褒美はこの景色に出会えること。

展望台からの眺め

さて、この日に拾ったドングリは小学校に持ち帰り、3年間大切に育て、卒業記念として生長した苗木を鳴門公園内の裸地等に植樹する予定です。

鳴門公園の自然にふれあい、自然保護の大切さを学ぶ行事でした。

どうぞ、ドングリが元気に育ちますように。