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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】自然からもらった色を楽しむ。

2021年11月02日
瀬戸内海国立公園 辻優子

瀬戸内海国立公園の五色台ビジターセンターで行われた体験験教室から、今回は草木染体験について紹介します。

ヒサカキという木をご存じでしょうか?サカキは神事に用いられることから、漢字で書くと「榊」。そして、高木になるサカキに比べて樹高も葉の大きさもこじんまりとしていることから「姫榊」と書いてヒサカキ。春に白い小さな花を枝の下部にびっしりとつけ、それが秋には黒紫色に実ります。讃岐の山にもよく生えている常緑樹です。

そのヒサカキの実を使って絹のスカーフを染めるのが今日の体験教室。化学染料と違って草木染は、実の採集時期や場所、水質など様々な要素によってどんな色が出てくるかは、やってみないとわからない一期一会のもの。今日はどんな色に染まるのでしょう?

講師は例年お世話になっている角田真理子先生。

講師が説明している様子

まずは、模様付け。洗濯バサミ、割りばし、たこ糸、ビー玉、輪ゴムなど身近なものを利用して模様をつける方法を教えていただきます。

絞り方の説明をしている様子

こちらのお二人はビー玉をつかって輪ゴムで絞りを入れています。

絞りを入れている様子

模様付けの準備が整ったら、水に漬けます。

絞りを入れた布を水につけている様子

大量のヒサカキの実を煮詰めて作った染める液。こんなきれいな紫に染まるといいなぁ。

ヒサカキを煮詰めてできた染め液は紫色

軽く水を絞って、鍋に投入。色むらができないように、ゆっくり布を動かしながら熱して15分。

大きな寸胴で煮ている布を動かす二人

そのあと色止めをしてから、もう一度染める液につけると、次は模様を確かめます。

この方は、割りばしとたこ糸を使って絞っていました。たこ糸を外すのはどうなっているのか、わくわくする瞬間です。

絞りを入れるためにつけた割り箸やたこ糸を外す様子

タコ糸と割りばしを外すと、こんな模様が!

外して出てきた模様は蜘蛛の巣状

こちらはビー玉絞り

出てきた模様は水玉

水洗いをして干したらできあがり。

風になびくストールたち

皆さんの思いの詰まったストールができあがりました。干しているときは紫色でしたが、乾くと上品なグレイに。どんな色に出会えるかは、その時だけのお楽しみ!同じ色にはもう二度と会えません。

木の実から美しい色をいただいた体験教室でした。

おまけ:体験教室の合間に近くの木の観察。スダジイのどんぐりが少しだけ顔を見せていました。開ききって姿を現すまで、あと少し。

スダジイのどんぐりが少しだけ出てきている様子

実施日は2021年(令和3年)10月23日でした。

次回の五色台体験教室は11月27日(土)。五色台の地質について実際に見ながら学びます。

詳しいことは五色台ビジターセンターHPでお確かめください。