アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
探検ウォークin東かがわ
2021年11月19日AR日記をご覧のみなさま、こんにちは!
10月31日に開催された香川県主催の大人気ツアー「かがわの自然探検ウォーク」のレポートをお届けします。
今回ご紹介するのは「森林散策コース」全行程 約8kmです。
白と黒の横縞がダイナミックなランプロファイア岩脈や蕪越狼煙場跡、安戸池など、東かがわ市を代表する自然と歴史を、ジオガイド・里山ガイドの方々の解説を受けながら約4時間かけてめぐります。
【デイサイト岩脈】
1400万年前に噴出した花崗岩に黒雲母が混じった大きな岩がそそり立っています。
砂粒ほどの小さな柘榴石(ガーネット)が、小さいながらも赤く結晶しているのが見られます。
【鹿浦越のランプロファイヤ岩脈】
ランプロファイアとは火成岩(マグマが冷え固まってできた岩石)のひとつで、鹿浦越岬では、およそ8000万年前、恐竜の生きていた時代、後期白亜紀に形成された花崗岩(白色)が冷え固まる際に収縮してできた節理(亀裂が入った隙間)に、後からランプロファイア岩脈(黒色)が貫入してできた縞模様が見られます。
昭和17年に国指定天然記念物に指定されています。
参加者の方は、地質名ランプロファイア(lamprophyre)と、登記名称は鹿浦越のランプロファイヤの違いや、アルファベット表記について熱心に尋ねておられました。
【蕪越狼煙場跡】
江戸時代末期、外国船の来航を知らせるため狼煙があげられました。当時、長く高く煙を立ち上げるための材料に何を使ったのでしょう?
よもぎが使われたのでは?乾燥して保存したのでは?常駐していたらしいけど、食料とかどうしていたのかしら?
参加者みんなで意見を交換し想像を巡らせました。
道中の涼しい木立が続く道端には、赤く色づく実をつけた樹や蔓、秋を代表する花萩が咲き、目を楽しませてくれます。
もう、フユイチゴがおいしそうな実をつけていました。
【女郎島】
東かがわのモンサンミッシェルといわれています。
潮が引くと道ができ、歩いて島まで渡れます。
【魚つき保安林】
豊かな水資源を守る林。崖下の海は透明度が高く底まで透けて見えます。
【安戸池】
安戸池が見えてきました。
水深の浅い安戸池は、水鏡のように山や空を映します。
安戸池のほとりで、香川のハマチ・ブリ養殖の過去と現在について教えていただきました。
安戸池は昭和3年に日本で初めて、ハマチ養殖に成功した海水池です。
現在は、安戸池を利用した管理釣り場や体験学習館、お食事処を併設した複合施設としてファミリーに人気のスポットとなっています。
また、引田沖の大いけす(25m四方×深さ20m以上)で、天然に近い環境を遊泳させて育てるブランド魚「ひけた鰤」も有名で、これから旬を迎えます。
瀬戸内海国立公園の美しい海、赤や黄色に色づく木々、旬の味覚など、魅力あふれる東かがわの深まる秋を目と舌で楽しんでみませんか?
開催日 令和3年10月31日
主催 香川県
後援 環境省中国四国地方環境事務所四国事務所、東かがわ市教育委員会