アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
足摺宇和海にインターンがやってきた!
2018年09月21日"My Intern"という洋画をみて感動した土佐清水の谷吉です。
今回は、そんな「インターン」が、この足摺宇和海国立公園にやってきたので、
たった2日間でしたが、その様子をご紹介します。
噂のインターン生は、高知大学農林海洋科学部の「小林くん」!
自然が好きな、20歳になったばかりの3回生です。
将来的に自然に関わる仕事を、と考える中で、
環境省の仕事に興味を持ってくれました。
我々土佐清水自然保護官事務所も、ありのままの姿を見せるべく、
詰め込みすぎ!?なスケジュールで2日間を共にしました。
【1日目】
初日は挨拶もそこそこに、足摺へ突っ走ります。
車移動中に心配していた雨が・・・。
それでも苗畑を前に、足摺岬で取り組んでいる
ヤブツバキ再生プロジェクトの話の後で、苗畑の整備も一緒にしてもらいました。
整備をしながらも、雨脚はだんだん強くなり、逃げるように足摺岬先端へ。
今年のツバキ種の状況を見ながら足摺岬を歩いて回ったり、
苗畑から移植される現場をみてみたり。
休む間もなく竜串へ。
ご飯を食べた後は、今水面下で進行中のプロジェクトの打合せへ。
まったく予備知識なしでしたが、イベントを催行する難しさは
大学生活でイベント企画をした苦労と通じるものがあったようです。
1日のまとめ代わりに、足摺宇和海国立公園のFacebookページで
記事を投稿してもらいました。
怒濤の1日を終え、「環境省=自然を守る」という強い印象が覆され、
自然を守るために必要な地域のひととの関わりや、
守るべき自然を正確に知るために、地域の文化・歴史的背景をしることも、
仕事の一部であることを感じてもらえたように思います。
【2日目】
最終日ながら、スケジュールは分単位です。
まずは大岐の浜へ行き、園地の見回りと危険木・危険箇所のチェックをしました。
実は小林君、旅行で行った韓国の松林に感銘を受け、
松林の保全に興味を持っているそう。
かつては松林だった大岐の海岸林を歩いてもらっていると、
沖縄の樹林帯を歩いた時のような「息苦しさ」を感じたそうです。
小林君の見立てでは、落ち葉や土に潜み、目には見えないバクテリアたちが、
この大岐にもたくさんいて、二酸化炭素を多くはき出しているのかも・・とのこと。
この視点は、旅行好きな農林海洋科学部学生だからこそ!
漂着ゴミだらけの海岸を歩きながら、ゴミ拾いもしてもらいました。
蚊とゴミの印象が強烈な大岐から帰ると、すぐさま移動で再び竜串へ。
今度はビジターセンターの工事現場内を見学です。
これから新しくなる竜串の集団施設地区。
今の風景と、2年後の風景は全く違うものになります。
その整い切った状態ではなく、途中段階の舞台裏をのぞくことで、
利用者目線ではない、新しい視点を持てたようです。
目の前にいろいろな選択肢が広がっている、未来ある大学生が、
土佐清水自然保護官事務所を選んでくれたこともありがたいですが、
まっさらな状態で見た国立公園や事務所の業務についての意見や、
素直でまじめな感想をもらえたことは、今後の活動にもつながり、
我々にとっても貴重な機会になりました。