アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
国立公園バグズライフ
2018年08月30日台風通過ごとに、秋の足音が聞こえてくる季節ですが、
まだまだ暑い夏が続きそうな土佐清水からこんにちは!
今回は、2年と少しのAR活動の中で見つけた、
足摺宇和海国立公園の珠玉の昆虫コレクションをご紹介します。
大自然に生きるバグズライフをお楽しみください。
緑の中に、ぽつんと浮き出るように現れた小さな赤い虫。
アカイロマルノミハムシ【高知県宿毛市鵜来島/2017年5月】
前にテレビで見た森の天使カリプトケファラ(離陸がキュート)と同じハムシの仲間。
大きさやフォルムは似ていますが、後足が発達したこの虫は、
「ノミ」の名の通り、危険を察知するとぴょーーーん!と飛ぶそうです。
アザミ類の葉を食べるそうですが、やっぱり近くにはアザミが咲いていました。
ジャコウアゲハ【高知県宿毛市鵜来島/2017年5月】
ひらひらと舞う蝶は、それだけで目が吸い寄せられますが、
このジャコウアゲハのメスも、キレイな模様が輝いていました。
幼虫は毒性のある植物を主食にすることで、身を守っているのだとか。
さなぎは別名「お菊虫」。有名な日本の怪談話に由来する見た目なので、
ぜひ、さなぎの姿と、名前の由来を調べてみてください。
ラミーカミキリ【高知県宿毛市鵜来島/2017年5月】
緑の茂みの中で、ひときわ目立つライムグリーン×ブラックのボディ。
しかも、後ろから見るとパンダにも見えるユニークな模様が。
目が離せなくなること間違いなしのラミーカミキリは、実は外来種。
繊維材として輸入されたラミーについて日本にきたものと考えられています。
ハナムグリ【左:高知県土佐清水市大岐/2017年4月】
【右:愛媛県宇和島市契島/2017年10月】
和名「花潜」の名の通り、花を愛する風流人・・ならぬ風流虫です。
花を渡り、花粉や蜜を主食とするハナムグリ。花とのツーショットが多い虫です。
これと混同しやすいのが同じコガネムシ科の仲間のコガネムシとカナブン。
見分けるポイントは大きさや形に加え、
コガネムシは葉っぱ、カナブンは樹液を主食にすることが多いので、
何の近くで見かけたか、も見分けるポイントの一つです。
アサギマダラ【高知県大月町大堂/2016年11月】
ネギの葉っぱの色という意味の「浅葱」を冠する蝶ですが、
その色合いは、緑とも青とも言えない、キレイな色です。
夏や冬に渡りをすることで有名ですが、フジバカマやヒヨドリバナ、
写真のツワブキなどを吸蜜しながら、海を渡るのだそう。
蝶蝶ならぬ超長距離移動ですね。
いかがでしたか?
こうしてみると、身の回りの茂みの中や花の近くには、
何かしら、生きものの影があるようです。
疲れたときには、是非足を止めて、
小さな生きものたちの世界に目を向けて見てください。
【おまけ】
篠山で山下レンジャーが見つけた、極小サイズのカタツムリ。
後ろの杉の葉との対比で、その小ささが分かっていただけると思います。
足下を見ると、こんなミクロの世界が広がっているかも♪