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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【イベント報告】君もなれるか!?レンジャー修行in須ノ川

2018年03月07日
土佐清水 谷吉萌

遅咲きのツバキと早咲きの桜で、ちょっと華やかな土佐清水からこんにちは!

ぽかぽかのほほん、過ごしやすい季節になってきましたね。

さて、2月24日の土曜日に、愛媛県愛南町の須ノ川公園で

イベントを行いましたので、その報告をします。

(諸事情で告知ができていませんでした、すみません)

うららかな春の陽気の中で行うのは・・「レンジャー修行」!

自然を守りながら活かす、国立公園の「レンジャー」を目指すべく、

体力やアウトドアスキルを磨くとともに、物事を見る『目』を養います!

挨拶を終えたらすぐさまチーム分け。

2チームに分かれて早速「テント立て」!

 

苦戦するかな、と思いきや、片方のチームが全く同じテントを持っていたため、

ものの10分で設営完了。僅差で、もう一方も設営し、どちらも好タイムでした。

お次は「火起こし」。

体力とリズム感、なにより根気が試されます。

難易度別の道具を用意しました。難易度「激難」は火打ち石!

石自体は、須ノ川の近く「火打」という集落からとれる、モノホンの火打ち石です。

しかし、火花を飛ばせどなかなかつかず・・、火口がティッシュでは不可能でした。

早々に切り替え、難易度「難」のマイギリ式火起こし器!

こちらは、昔式火起こし体験などでもよく使うもの。

しかし、みんな初めて使うので、ほんとにつくの~?と疑心暗鬼。

刻々と時間が過ぎ、開き始める子もちらほら・・・

そして、30分近い挑戦の末、見事BBQセットで火おこしに成功!

 

ご褒美の焼きマシュマロが、疲れた腕に効きます。

少しの休憩を挟んで本日のメイン「レンジャー特訓」。

使うのは、この「修行目録」と「マップ」です。

1チームが公園中のポイントを探して歩き回り、

もう1チームは本日の講師、須ノ川出身、植物・鳥・昆虫と何でも詳しい

「はしごえハカセ(橋越清一氏)」から、野鳥観察や植物観察の極意を学びます。

公園中にちりばめられたポイントは、

須ノ川や愛南町の自然について知ってもらう内容です。

たとえば、マップのヒントをもとに歩いていると、オニヒトデの標本が出現!

サンゴを食べるこのオニヒトデ、実は、須ノ川からほど近い

「塩子島」という場所で大量発生しているんです!

シュノーケリングスポットの須ノ川もその脅威にさらされていますが、

地元のダイバーさんたちが懸命に駆除していることを知ってもらえました。

 

他にも、冬の植物のファニーフェイスや面白ポーズ探し、

ヒトツバという植物の葉先が分裂した個体探しなど、

自分で自然の中の「面白ポイント」をさがす目が養われていきます。

一方、はしごえハカセとともに行動するチームは、

双眼鏡や望遠鏡の使い方から教えてもらいます。

 

倍率に比例する価格で、なかなか手が出せない高性能の望遠鏡や双眼鏡。

のぞき込むと、池の端で休む鳥の羽先まで観察できます。

さらに面白いのが、

双眼鏡をひっくり返すと、ルーペ代わりになる、ということ!

ちかくの植物の表面を観察していくと

チェックポイントになっている「葉っぱの星」が!

グミの葉に特徴的な星状毛も、ルーペいらずで観察できます。


30分交代でチームが入れ替わり、テントゾーンに戻ってくると、途中経過の集計。

どちらも時間が足りず、チェックポイントを逃したりしましたが、

この時点では2点差、かなりいい勝負です。

勝敗を決めるのは、『大相撲 須ノ川場所』!

カタバミの軸(維管束)を使って、3人1組での対抗星取り合戦です。

 

先鋒、中堅と続いて、結果は1ポイントずつ。

勝負を面白くするために、大将戦は2ポイント。

はっけよーい・・・のこったのこった!

結果は、2ポイントリードしていたチームの勝ち越し勝利となりました。

天気に恵まれ、けがもなく無事終えた今回のイベント。

車で通り過ぎていた場所に、たくさんの宝物があることに気がつきました。

参加者の男の子が、イベント中に何気なく視線を向けて見つけたのが、こちら↑。

枝に擬態した蛾ですが、今までなら通り過ぎてしまっていたかも。

これは「須ノ川レンジャー」を名乗れるくらい、「目」が養われた証拠ですね。

少ない参加者数でしたが、全員から☆5つ(満点)の高評価もいただきました!

今後も、足摺宇和海国立公園内で、まだまだ掘り起こせていない魅力を求め、

こういったイベントを企画していきますので、こうご期待です!