アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
第28回瀬戸内エコツアーを開催しました。
2018年03月06日春霞のただよう季節になってきた3月の始め、28回目となる「瀬戸内エコツアー」を実施しました。
今回のエコツアーは、ふだん本州側から見ている瀬戸内海を見てみようと、愛媛県今治市大三島の安神山に登りました。
早朝、広島県竹原市の忠海港からフェリーに乗り込み、大三島盛港を目指します。
前日まで、開催日の天気は雨予報だったのですが、当日は見事に晴れてくれました。
まずは大三島の中心にある大山神神社で、過去から脈々と受け継がれてきた自然と文化の調和を体感しました。
この神社のクスノキ群は国の天然記念物にも指定されており、樹齢3000年とも言われているそうです。あまりの大きさと偉大な姿に、参加者の皆さんは圧倒されていました。
大山神神社を参拝した後は、いよいよ安神山に登ります。
安神山山頂までの道のりは、なかなか急な勾配で、参加者の方々も少々バテ気味な様子・・・。
しかしながら、要所で先生方から大三島の植物や瀬戸内海の興味深いお話を聞かせて頂き、疲れなど忘れて皆さん興味津々でした。
また、安神山山頂から見える景色も、我々を癒やしてくれました。
左写真は、1月の下見時のものなので、まだ冬の名残を感じられます。
当日(右の写真)は春霞がかかって、春らしい景色です。
先生方のお話を聞いていると、春の陽気に誘われて、冬眠から覚めたヒオドシチョウがひらひらと飛んでゆきます。
安神山山頂に登った後は、鷲ヶ頭山までの尾根筋を通り、様々な角度から瀬戸内海の景色を楽しみました。
一通り登り切った後は、下山して入日の滝を目指します。
下山すると、「大三島の自然を守る会」の方々にお茶とミカン、大三島まんじゅうをご馳走になりました。
瀬戸内の温暖な気候の中で育ったミカンの味は格別で、写真を撮る間もなく食べ尽くされてしまいました・・・。
ツアーの締めは「入日の滝」。
瀬戸内海の島という限られた自然の中で、森が機能し清らかな水が湧き出ている様子に、瀬戸内海が育む自然について新たな一面を見いだすことが出来ました。
瀬戸内海国立公園は11府県にまたがり、海域まで含めると90万haを超える日本で一番広い国立公園です。その中にはたくさんの島々があり、段々畑や潮待ちの港など自然と人々の生活が調和した独特な文化が受け継がれてきました。これらの文化は島々の間でも少しずつ違っていて、今回のエコツアーでは大三島の自然や文化を知ると同時に、それぞれの故郷の自然と文化を見直す良いきっかけになったのではないかと思います。
皆さんお疲れ様でした!