アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
ゴミで道徳!?山奈小2年生と考える"自然"
2018年03月20日春爛漫・・もあとわずか!?の土佐清水からこんにちは。
これまで主に小学校高学年を対象に、
さまざまな環境学習をおこなってきた土佐清水自然保護官事務所ですが、
なんと今回、小学校2年生の授業を依頼されました!しかも「道徳」の授業!
はてさて、レンジャーは「ゴミ」を使って2年生に人の道を説けるのか・・・!?
結果やいかに・・!
やってきたのは宿毛市山奈小学校の2年生教室。
授業前から、我々が持ち込んだ道具に興味津々です。
何が箱に入っているのか気になりますが、まずはお話から。
お題は『「自然をまもる」を考えよう』。
まずは、「自然」について考えるため、
身近な自然や、どんな自然が好きかを発表してもらいます。
生きものがいる自然、静かな森の中など、2年生らしい答えが出てきます。
誰かが発表するときは、体を向けて聞く。さすがです。
そして、レンジャーが守っている「自然」についても知ってもらいます。
日本地図はまだまだ難しいですが、
各地の国立公園のキレイな景色や珍しい生き物には、
リアクション芸人ばりの反応を返してくれました。
そして話はいよいよ、身近な自然である足摺宇和海国立公園に。
豊かな海が特徴のひとつである当公園ですが、
しかし、そんなキレイな海を脅かす「漂着ゴミ」について考えてもらうべく、
山奈小学校最寄りの海岸(脇本海岸)で拾ったゴミを見てもらいました。
事前に、通学路などの地域のゴミも拾ってもらっていたので、
地域のゴミと、漂着ゴミの違いも考えてみます。
ゴミは、どこからやってくるのか。どういった物が多いのか。
地域のゴミは、空き缶やペットボトル、ビニールの包み紙が多く、家庭ゴミと同じもののようです。
漂着ゴミは、漁具やペットボトル、プラスチックゴミが多く、海外の文字が書いてある物もありました。
海流や水産業で地域の外から来たゴミが目立ちますが、
地域で拾ったゴミと同じ、ペットボトルやプラスチックゴミなど、
家庭ゴミと同じものも少なくありません。
そういったゴミが、自然や生きものにどういった影響を与えるのか。
漁網に絡まったウミガメや、プラスチックで餓死してしまった海鳥の写真は、
子どもたちにはショッキングだったかもしれませんが、
多くの子たちは目をそらさず、写真を見ていました。
少し休憩を挟んだら、こんどは漂着ゴミを使って「ゴミアート」づくり!
それぞれ自由な発想でゴミとゴミを組み合わせて傑作を生み出しました。
少しだけ作品紹介↓
約1.5時間のお話の時間と、1時間の工作の時間で
驚いたり、感動したり、笑ったり、考え込んだり。
2年生たちはいろいろなことを学んでくれたようで、
後日感想文も書いてもらいました。
小笠原の固有種と外来種のことが印象に残った子もいれば、
オニヒトデがサンゴを食べてしまうことを初めて知った子、
ゴミで工作できることに驚いた子など、様々。
道徳、という今までにない切り口からのスタートでしたが、
それぞれの心に響く話が提供できた、という実感があり、
われわれにとっても意義のある授業になりました!