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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

2/4(日)三瓶山北の原 歩くスキーイベント

2018年02月16日
大山隠岐国立公園 大山淳子

去る2/4に、三瓶自然館サヒメル主催で歩くスキー(クロスカントリースキー)のイベントがありました。

場所は、大山隠岐国立公園三瓶山の麓、北の原にある、三瓶山北の原キャンプ場の敷地内。

キャンプ場から見た三瓶山

歩くスキーに使われるスキー板は、アルペン用のスキー板よりも、細く、裏にギザギザが刻まれていて、後ろに滑りにくくなっています。また、かかとが板に固定されておらず、歩くとかかとだけ浮くようになっているのが特徴です。

今回のイベントでは、参加料金に道具のレンタル代が含まれており、ウェアのみで参加が出来ました。

イベント時以外でも、道具は北の原にある三瓶山北の原キャンプ場で借りることができますので、道具をお持ちでない方も、冬の三瓶山で歩くスキーを楽しみにぜひお越しください。

このたびのイベントは、「アニマルトラッキング」と題して、雪の上に残された動物の足跡などから、どんな動物が歩いたのか、住んでいるのか考えてみようといった内容でした。

歩くスキーは、高低差があまりないようなところを歩く比較的子どもたちにも易しいスポーツなので、

こどもから大人までたくさんの方が参加されていました。

三瓶山歩くスキーイベント初めの会の様子

初めに室内であいさつがありました。

4チームに分かれて雪原へ出て出発する様子

あいさつが終わり早速出発。

4チーム分かれて、足跡探しに出かけます。

出発の前に、転んでから起き上がる練習もしっかりしました。

初めに見つけたのは、うさぎの足跡。

雪に残るウサギの足跡

「これを辿っていくと、うさぎさんが住んでるところまで行けちゃうね。」

といったやりとりも聞こえてきました。

列になって、スタッフの方についてキャンプ場の林の中を歩く様子

みんなで列になって、

スタッフの方について足跡を探します。

少し遠くで何か見つけた様子のこどもたちとスタッフの方

なにか見つけたのかな。

途中東屋のつららが斜めにできているのを発見。

(写真だとわかりづらいですが、内側に斜めに入り込むようにできています)

地面に垂直に下りず斜めにできているつらら

「なんで斜めにできているんだろうね」

「つららができてから、屋根の雪がずり落ちてきて斜めになったんだと思う」

「つららができるときに、強い風が吹いたのかなあ」

これも、普段だと見落としてしまいそうなことです。

観察して、考えて、みんなに話してみて、こういった時間ってすごく大事だと思いました。

スキーで坂を4.5人で登る様子

さあ、新たなる発見を求めて

坂を頑張って登ります。

次に三瓶自然館サヒメルのキャラクターでもあるテンの爪傷をみつけました。

テンは、イタチ科の体長40~50cm程度の動物で、主に山や森林に生息しています。

夜行性で、木登りも得意なようです。

木の柱に残るテンの爪痕

東屋の柱についたテンの爪痕。

5本の指でのひっかき傷から、この動物がテンであり、どこを通ってどこに行ったのかを考察します。

こうして、ゆっくり観察しながら、歩くといろんなものが見えてきます。

屋根の下部分、側面に5本の爪痕が。

柱を登って、屋根下づたいに移動し、屋根の上へ登ったのが推測できます。

最後に、ツグミの仲間だと思われる足跡を発見。

雪の上に残るツグミの足跡

両足がそろって歩いている(跳んでいる)ことから、

ホッピングという歩き方をしている鳥だということがわかります。

それに合わせ、足跡の大きさ、この季節にいる鳥はなんだ?ということからツグミの仲間だと推察されました。

雪の上のツグミの足跡2こめ

まっすぐ行こうとして進行方向を変えてますね。

なにか見つけたのでしょうか。

足跡ひとつからいろいろな情報を読み取るアニマルトラッキング。

ぜひ、三瓶山北の原で挑戦してみてください。

また、歩くスキー自体も、スポーツとして楽しいものですし子供たちも気軽に挑戦できます。

雪がある今の季節しかできないので、交通にはお気をつけて、ぜひ三瓶山へ足をお運びください。

林の向こうに三瓶山が見える中、三瓶山に向かってスキーをしている様子。

三瓶山の麓でぜひ楽しんでください。