アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【鳴門】 森林自然観察会~ドングリ拾い編~
2017年11月24日毎年11月中旬に自然公園財団鳴門支部主催で実施している桑島小学校3年生によるドングリ拾いと自然観察会。
これは松枯れや自然災害などで荒廃した森林植生の回復や老朽施設跡地の早期緑化を目的として、地元小学生が鳴門山で拾ったドングリを苗木に育て、6年生の卒業間近に鳴門山を再び訪れて植樹する活動。
今年で22年目を迎える今回も元気な桑島小学校3年生25名がやってきました!
講師は木下さん(徳島県植物研究会会長)と市原さん(自然観察指導員・佐那河内いきものふれあいの里)、そして今回は自然公園財団鳴門支部・井上所長からもいろいろ教えてもらえるようです。
身支度を済ませたら、鳴門山へLet's go!
鳴門山中腹にある展望地までの道すがらにもドングリがたくさん。
今年は当たり年のようで、いっくらでも拾えちゃうくらい!ただ、落ち葉の中に紛れてドングリがあるので、目が慣れないうちは「どこどこ?」と悪戦苦闘気味。同伴した保護者の手助けもあり、徐々に目が慣れてくると・・・。
<一気にドングリ拾いモードに!>
歩道だと先に歩いた子が採ってしまいますが、展望地まで行けば、もう取り放題です!ここでは子供だけでなく、保護者や先生、同伴した大人も一緒になって拾います。といいつつ、私も(笑)
ドングリをひとしきり拾った後は、ドングリを苗木に育てるために必要なお勉強。
植える時はどっちを上にする?芽はどっちから出る?
ドングリって食べられるの?など木下先生からの質問にも子供達はしっかりと聞き、ドングリ試食にもチャレンジ。
<どっちが上にするといい?> <ドングリを食べて・・・まずっ!!>
右写真を見ると、ドングリの味がどんなだったか分かると思います(笑)
中には「味がしない」「意外とイケる?」など感想はさまざまなよう。
ドングリ拾いの最中には、昆虫や気になったものを捕まえた子も。
そんな時は市原先生の出番です!今の時期、昆虫が少ないのですが、ジョロウグモやミミズ、既にお亡くなりになったカマキリなどを観察してもらいながら、昆虫の脚の数やどんな生き物がいるかなど教えてもらいました。
また井上所長からは、鳴門山にもいるマムシの特徴や気をつけて欲しいこと、夏に見つけやすいセミの成虫と抜け殻を写真を使って教えてもらいました。児童の中には、セミと抜け殻の種類を当てる子、何でも昆虫を触れる子などもおり、将来が楽しみ。
左<市原先生から「この昆虫の脚の数は?」と聞かれ・・・・>
右<井上所長からは「マムシはこんな模様で・・・」「クズの豆やヤブツバキの実はこれ」とレクチャー>
展望台に上がる前におやつを。
赤い実をいっぱい付けたアキグミを食べてみました。
独特の渋みというか甘み・酸っぱさがあるのですが、子供達には大人気!オレンジっぽいものよりも、かなり赤くなっている実の方が食べやすいですよ。
保護者の中にも子供の時にドングリやアキグミを食べたことがある人がおり、少し懐かしそうに思い出していました。
当日は風が強かったのですが、湿り気がなく、展望台からは淡路島の南端・潮崎方面~小豆島までスッキリとした視界で今までで一番遠くまでハッキリと見渡せました。
保護者の皆さんも「360°眺められて、ここはいいわ~」と絶賛。
もう2週間ほど実施日が早ければ、サシバやハチクマ、ハイタカなど猛禽類の渡りを見られたかもしれません。9月中旬~11月上旬頃には鳴門山展望台と四方見展望地では、野鳥の会会員さんたちが猛禽類の渡りの調査をしています。声をかけると望遠鏡を覘かせてくれるかもしれませんよ。
展望台を後にして、歩道を歩きながらもいろいろ観察。
タンスの匂い(今は違うか)ショウノウの香りのクスノキやヤツデ、花を咲かせたツワブキやコウヤボウキ、3年ほど前から6年生が植樹を始めた老朽施設跡地では小さなゴキブリを見つけたり。
今年の3年生はとっても好奇心旺盛でいろんなものに興味を示してくれました。
クワガタムシが好きで「幼虫を見つけたい!」と言っていた子、ドングリをどんどん食べる子(アクが強いのでたくさんは厳禁!)、昆虫が触れなくても見たい子など、さまざまでした。
持って帰ったドングリはしっかりと大切に育てて、6年生になったらまた植樹に来てくれるのを楽しみにしています。