アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
瀬戸内海国立公園の自然9「元宇品」
2017年11月20日
瀬戸内海国立公園
山の色がすっかり変わって、秋の景色を楽しめるようになってきました。
さて、今回ご紹介する瀬戸内海国立公園の自然は「元宇品」の景色です。
↓地図(GoogleMap)
元宇品は広島湾にある瀬戸内海国立公園で、かつて瀬戸内海に浮かぶ離れ小島のひとつでしたが、1889年に干拓により陸繋島になりました。そんな元宇品は古くから森が神域としてみられていたことなどから開拓が及ばず、都心近くにもかかわらず豊かな自然が残されています。
元宇品南端付近には駐車場があり、その先には樹齢数百年のクスノキの大樹が植わっています。そしてその隣では、宇品灯台が広島湾を往来する船の安全を守っています。
駐車場からは林内遊歩道が延びており、そこではクロキ、モチノキ、ビナンカズラなど季節によって様々な植物たちが美しく色づいています。
もちろん元宇品の自然の魅力は原生林だけでなく、海沿いにも随所に見られます。
元宇品小学校と広島工業高校の生徒達が、かわいい標識を作ってくれています。
海辺に出てみると広く瀬戸内海を望むことができ、都心から近いためか、休日には多くの観光客や釣り人で賑わっています。
また、海岸沿いを歩いていると不思議な地形を見ることができます。
節理という溶岩が冷やされる間に規則的な割れ目が生じた岩石や、海水の波によって浸食された海食崖、他にも岩脈や断層も観察することができます。
現在、元宇品は広島本土と陸繋ぎになっていますが、その植生や地形は独特な自然を保っており、いわば都心に浮かぶ陸の孤島とも言えるのではないでしょうか。
気軽にアクセスできる場所ですので、天気の良い日にはちょっとしたお散歩やハイキングに出かけてみてはいかがでしょう。