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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

篠山deモニタリング&バケツリレー!

2017年10月31日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

台風やら秋雨前線やらで、秋を楽しむより

カビとの戦いに追われていた、土佐清水の谷吉です。

さてさて、8月の山の日にイベントを行った篠山!

アケボノツツジの花を楽しむ春以外でも、夏山の楽しみをご紹介しました。

今回は、そのイベントでも体験してもらった「モニタリング」と「バケツリレー」を含む、

実際の保全活動の様子を届けします。

活動するのは篠山観光開発協議会のメンバー。

年に数回集まり、繁忙期のパトロールや、モニタリング、バケツリレー(覆土)、

鹿よけの柵の修繕などを行い、篠山アケボノツツジの保全活動を行っています。

ここに、今回は植物の専門家、愛媛新聞記者なども加わって総勢16名での活動になりました。

山頂に到着したら、4つの班に分かれて調査開始。

最初のミッションは「モニタリング」。

最近テレビなどでも使われ、なじみのある言葉になりましたが、要は「観察」すること。

毎年同じアケボノツツジの木や、その子どもたちを追いかけて、

その成長や衰退を観察しています。

爪の先ほどの芽を探し、マーキングしていきます。

地面に這いつくばって観察すると、

消えてしまった芽もあれば、新しく芽吹いた物も見つかりました。

まだまだデータが少ないので、これから記録を重ね、

変化にいち早く気づけるよう、観察を続けていくことが大切です。

もう一つが「バケツリレー」。

花が美しいアケボノツツジですが、視線を下に下げると・・

 

斜面では土が流れ、アケボノツツジの根が露出してしまっています。

1本1本は細いこの根も、栄養分を吸い上げる重要な役目を担っているのです。

そこで、その根を覆う土を「バケツリレー」で運ぶわけです。

 

人数がたくさんいても、なかなかの重労働。今回は16名が一丸となってリレーしました。

これから先も、アケボノツツジの花を楽しめるように、

まだまだ模索段階ですが、地道な一歩を踏み固めているところです。

(今春のアケボノツツジ)

今は協議会で行っている保全活動ですが、

地元の人や篠山やアケボノツツジを愛する人たちにも、こういった活動を知ってもらい、

一緒に歩んでいける道にすることが、次なるステップとなりそうです。