アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
✿足摺ヤブツバキ保全シリーズ⑩ 挑戦者新登場!
2017年09月27日いよいよ秋めいてきた土佐清水からこんにちは!
すくすく育っている事務所前のツバキをご紹介した前回のツバキシリーズ。
今回は、9月から新登場の助っ人たちのお披露目です。
やってきたのは、土佐清水市の新地名「清水が丘」にある清水中学校です。
この清水中学校の2年生が、ウワサの助っ人さんです!
2年生の総合学習テーマは「清水のために行動できる自分になろう」。
これに、ヤブツバキ再生プロジェクトがどう絡んでいくのか?
第1回授業のようすとともに、この疑問の答えについてお話しします。
第1回目の授業は中学校で行いました。
3つのクラスが一堂に会し、まずは、土佐清水の「いいとろこ」を考えてみます。
海や緑などの自然や、魚や野菜といった食べ物、
お祭りや人付き合いなど、たくさんの「いいとろこ」が出てきました。
次は、これらの「いいとろこ」はどうやってできたのかを考えていきます。
ここで例として登場するのが足摺岬のヤブツバキ。
観光スポットとして立ち寄る方も多い足摺岬。
そこに色を添えるツバキ自体も市の花であり、
もちろん、生徒さんからも「いいところ」としてあげられていました。
では、この足摺ツバキはどうやってできたのか。
どうやって足摺岬が作られたのか、という大地の成り立ちから見た足摺岬についてや、
なぜ足摺岬にツバキ林ができたのか、という歴史的・文化的な背景を知ってもらいます。
こうして、「いいとろこ」はどうやって成り立っているのかを紐解くと、
その魅力を構成してきた人や自然のうごきが感じられ、
よりいっそう魅力が引き立つんじゃないか、という投げかけをしました。
授業おわりの振り返りでは、
「今まで土佐清水の魅力について考えたことはあったけど、
なぜなのか、まで知れて良かった」
「ただ魅力を知っていても、成り立ちを知らないと
十分に魅力を伝えきれないことがわかった。そう考えると知らないことだらけ」
「文化や自然など、素晴らしいモノが多くある。自分たちが守らないと」
など、魅力に感じる物事そのものだけでなく、
奥行きをみる視点が養われたように見受けられました。
この総合学習の目的は、
こういったバックグラウンドを含めた土佐清水の「いいところ」すべてが、
自分たちの生まれ育った土佐清水なんだ、という誇りに繋がること。
そして、その清水のために何かできないか、
ということを考えてもらうことが最終目的です。
今回中学2年生から、これだけのふるさと自慢が出ました。
この魅力を守っていきながら、さらに磨き上げるための
自由なアイデアが生まれる授業にしていきたいと考えています。
そのための実践として、次回授業は実際に足摺岬に行き、
足摺ヤブツバキの現状と、その保全活動の実習を行います。