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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 昆虫観察会

2017年08月16日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

8月の体験教室は、夏休みの自由研究にもってこい!「昆虫観察会」

駐車場からクラフトハウスに向かうまでの間も、観察会スタートまでの間も待ち切れんとばかりに捕虫網を手にバッタやトンボを追いかけるほど子供たちはやる気十分!

そんな子供たちの高ぶる気持ちを一旦落ち着かせ、まずは昆虫を観察・採集する前に今回の講師・好井さん(かがわ自然観察会)から大切なお話を。

①森歩きの心得

 森に入ると、いろんな生き物がいて、中には飛んでくることも。森は生きものたちの住処であって、

 私たちはそこにお邪魔するお客さん。「こんにちは、お邪魔します」という気持ちで森に入りましょう。

②危険な生きものは森歩きの前にインプット!

 ウルシやハゼなどのかぶれやすい植物、スズメバチやマムシなど森の中には毒を持つ危険な生きものも。

 初めにどんな対処すればいいのか、どんな生きものなのかを知っておくことで、

 慌てず落ち着いて行動できますよ。ハチなどが人に止まっても、相手は人を物だと思っているので騒がず、

 払わず、あえてじっくり観察してみるのもよし!

③服装・持ち物チェック

 虫刺されやかぶれ予防に長袖・長ズボン、歩きやすいシューズ、暑さ対策の飲み物など準備バッチリなら

 森歩きもより楽しめます。

④やさしい気持ちで

 昆虫を追いかけると夢中になってしまいがちですが、持つ時はやさしくそっと。

 いざ放す時に羽や足が折れていたら・・・。

そんな心得や捕虫網の使い方などを教えてもらったら、お待ちかねのフィールドへ!

今年は暑さのせいか7月下旬になってもなかなかセミの鳴き声がせず、「昆虫観察会どうしよう!」とハラハラドキドキでしたが、1週間ほど前になってやっと「あー、夏休みだなぁ」と感じるほどの鳴き声が聞こえてきてホッとしました~。

【声は聞こえるけど・・・】

そんなセミ、木の幹と同化して鳴き声をする方を探してもなかなか見つかりません。

と思いきや実は目の前の木にいた、なんてことも。

成虫探しもいいのですが、宝探しのように見つけるのがセミの抜け殻探し。

抜け殻って同じように見えますが、特徴を捉えるとそれが何のセミなのか分かりますよ。

左【ツクツクボウシ】薄茶でツヤなし   発見しやすさ★★

右【ニイニイゼミ】体が丸くて泥だらけ  発見しやすさ★★★                

魚の池ではトンボ探し。

ここも暑さのせいかいつもより少ないような。そんな中でもしっかり目を見張った子供たちは小さなイトトンボを見つけ出します。

右【シオカラトンボとショウジョウトンボ】

左【クロイトトンボ】 

右【モノサシトンボ】名のとおりモノサシのように目盛りがあるのが特徴

昆虫ではないですが、遊歩道にある巣箱を使って、野鳥がいつ巣箱を必要とするのか、どんな環境が暮らしやすいのかなど「私たちだったら・・・」と考えながら設置のコツを教えてくれました。

1時間ほど遊歩道を歩き、水分補給の後は、インタープリターから今話題のヒアリについてレクチャー。

事務所から標本も持って行きましたが、「思ったより小さい!」とみんな興味津々でした。

■ヒアリの特徴

・大きさ 働きアリの体長は2.5~6㎜と個体差あり

  • ・ 色  赤っぽくツヤあり。在来種のクロオオアリはマットな黒

  • ・ 巣  ヒアリの巣はアリ塚と呼ばれる土でできたドーム状。

     巣に足や棒を突き刺すと怒った数100匹ものアリが登ってくるので危険!!

「黒い」「大きさが2.5㎜より小さい」「働きアリの大きさにバラツキがない」アリはヒアリではないので、まずは落ち着いて見てみましょう。

■でも、やっぱりヒアリかも!

という場合は、県の自然環境部局かお近くの環境省地方環境事務所にお問い合わせください。

実際、高松事務所にもいくつか「ヒアリかも」という問合せが来ますが、調べてみると在来種(日本にいる)アリだったり、はたまたアリグモというアリに擬態したクモだったり。こういった特徴を知ることである程度判断できるのではないのかなと思います。

夏休み期間中は、ビジターセンターの自由研究ネタコーナーにて、ヒアリに関するポスターも掲示していますので、興味ある方はぜひご覧ください。

さぁ、話題のヒアリについて学んだ後は、体を動かしますよ~。

昆虫観察会では恒例となりつつある、広場でバッタ捕り競争!

捕虫網を持って、1列に並んで・・・よーいドン!!

子供たち、走り回る走り回る!見かねた講師から「トンボを捕まえたいならじっとして相手が来るのを待つ。追いかけると逃げるよ~」とポイントを伝授。

まぁ、じっとしておけないですよね(笑)というか、捕まえるのはバッタなんですが。

子供たちだけでなく、大人も必死にバッタ捕りに参戦!

帽子を捕虫網にしたり、小さなショウリョウバッタに悪戦苦闘ですが、なんとか時間内に1匹以上は捕まえられました。

講師から頑張った子供たちへ上位入賞者にエコボトルを、参加賞として折り紙などをプレゼント。

そして、最後に涼を取るかき氷でバッタ捕り競争のクールダウンを。

今年は少し昆虫の姿が少なかったですが、その分「見る」「(鳴き声を)聞く」など五感を使った昆虫探しができたのではないでしょうか。

参加した子供の中には、昆虫の特徴などをよく知っている子がおり、将来どんなふうに成長していくのか楽しみで仕方ないです。

晩夏から秋にかけても、まだまだ昆虫たちはいっぱい!

心得をしっかり保ちつつ、楽しい昆虫観察を満喫してくださいね。