アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【自然情報】 紫雲出山・梅雨のみどころ
2017年07月03日ジメジメしとしとの梅雨時期に彩る花といえば?
そう、アジサイ。ピンクや青、白などさまざまな色と形をしているアジサイですが、ここ最近だとカーネーションと並んで母の日のプレゼントとしても店頭で多く見かけますよね。
そんな梅雨を彩るアジサイが今、あちこちで見頃を迎えています。
今回ご紹介するのは、紫雲出山(三豊市)。
【山頂駐車場から徒歩7分で山頂園地に到着】
山頂までの約100mは、高さ2mのアジサイに囲まれ、彩られた歩道「アジサイロード」を歩きます。
その数、約2,000株と圧巻!
そして、種類も豊富で見応え十分です!
【アップで撮影してもいいですねぇ】
■アジサイの花って実は花びらじゃない!?
実は花のように見える部分は、萼(がく)と呼ばれる葉っぱが変化したもので、それが大きく発達したのが花びらのように見えています。
【ヤマアジサイ】
日本に自生する原種のひとつ・ガクアジサイと同じように周りに装飾花(ガクが花びらのように発達した部分)がつき、真ん中に小さな両生花(雄しべと雌しべがある花)を付けています。
よーく見ると・・・。
■色ってなんで変わるの?
花の色は土の養分によって変化します。酸性なら青色、アルカリ性ならピンク色というふうに。なんだか学校の理科の授業で実験したリトマス紙みたい。最終的には花の老化ともいえる現象によって、どの花も赤やピンク色へと近づいていくのだとか。
ということは、もともとはピンクや赤系ということ?
■アジサイの名前の由来
和名の「アジサイ」は集(あづ)・真藍(さあい)が変化したもので、「集(あづ)」は「集まる」、「真藍(さあい)」は「青い花」という意味です。
アジサイは「青い花が集まって咲いている」という花の姿を表現した言葉が語源なのだそう。また、アジサイはいろんな色に変化することから、七変化(しちへんげ)・八仙花(はっせんか)、丸く集まった姿から手毬花(てまりばな)などの別名もあるのだそう。
■アジサイの花言葉と歴史
奈良時代につくられた日本最古の歌集・万葉集の中にもアジサイを詠んだ句があるほど、アジサイは古くから日本人にとって身近な花でした。しかし、花の色が移り変わることがネガティブなイメージ(浮気、移り気)を連想させ、最初は人気がなかったのだとか。
しかし、江戸時代に起こったある事をきっかけにイメージが変わってきます。
長崎で鳴滝塾を開講したドイツ人医師・シーボルトは、江戸参府を機に日本研究に役立てるためのいろんな物を集めました。しかし、その中には日本から持ち出すことを禁じられていた日本地図や将軍家の家紋の付いた着物などが含まれていたことが原因となり、国外追放を言い渡されます。その時、すでにお滝さんという日本人女性との間に娘が。
オランダに帰国する時、一緒にアジサイを持ち帰り、お滝さんにちなんで「オタクサ」という名前で紹介したことから「乙女の愛」「辛抱強い愛」といった花言葉がつきました。
実際、アジサイの人気が出始めたのは「西洋アジサイ」の名前でヨーロッパから逆輸入されてからなんだそう。昔からある花なのに逆輸入したことで人気が出るって、なんだか不思議な感じですね。
フランスでは、アジサイは「日本のバラ」と呼ばれるほど桜や椿とならんで日本を代表する花。
アジサイの見頃は7月上旬まで。あと少しですが、日本を代表する梅雨の花をぜひ見に来てくださいね!
【アジサイ&多島海景観のベストポジション★】