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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

国立公園島根半島 「加賀の潜戸」へ潜戸太鼓を奉納する桂島海開きが開催されます!

2017年06月30日
大山隠岐国立公園 大山淳子

大山隠岐国立公園内島根町加賀にある、加賀の潜戸(かかのくけど)は、

国の名勝・天然記念物に指定されています。

それが今年、指定されてから90周年を迎えます。

加賀潜戸遊覧船でいくことができる

加賀の潜戸は、長い年月をかけ、断層や浸食によってできた

新潜戸(しんくけど)と旧潜戸(きゅうくけど)からなっています。

先日、私も大山隠岐国立公園の魅力の把握のために、乗船してきましたので、

そのときの写真とともに紹介していきます。

新潜戸は、高さ40m、長さ200mの海の大洞窟です。

灯台と海から見た新潜戸潜戸内から見た海(写真右:潜戸内から撮影。写真では伝えられないほど壮大な洞窟です。)

新潜戸からちょうど見える的島神話で、支佐加比売命(きさかひめのみこと)が猿田彦ノ命(さるたひこのみこと)を産んだ場所といわれており、暗い洞窟内で、支佐加比売命は、黄金の矢で洞窟を射ました。その際、開いた穴から光が射し込み、洞窟内が光り輝き、「あゝ、かかやけり」といわれたのが、「加加(かか)」の地名のはじまりで、後に「加賀」と改められたといわれています。(濁らず"かか"と読みます)

射られた金の矢は勢いあまって沖の島まで貫通させ、猿田彦ノ命がこの穴を的に弓の稽古をされたので、この新潜戸から奥に見えている島は的島(まとじま)とよばれています。

船頭さんの素晴らしい腕により、船がギリギリ通れるくらいの幅の入り口を抜けて、洞窟からは、入り口の天井から滴った水の歓迎を受けました。とても冷たく、神秘的な印象を受けました。潜戸内を航行している間もなんだか別の世界に来たような気持ちになりました。

旧潜戸は、西日本唯一の「賽の河原」(さいのかわら)があります。

(写真左:海側からみた旧潜戸。

 写真右:旧潜戸内より撮影。フレームに収まらないほどの大きさ。)

海側から見た旧潜戸潜戸内から撮影

賽の河原は、幼くして亡くなったこどもたちが、母・父を想い、河原の石を積み上げるといわれています。積んだ石を、鬼たちが倒していくが、お地蔵様が鬼を追い払い、助けてくれると伝えられています。

新潜戸は神潜戸、旧潜戸は仏潜戸とも呼ばれており、

加賀の潜戸は2つの異なった印象を持つ神秘的な景勝地です。

長いトンネルを抜けて出た先には、こどもたちが一生懸命積み上げたと思われる石の塔が奥の方まで続いています。

こどもたちを想って供えられたと想われるおもちゃや花がたくさん供えられていました。

幼くして亡くなってしまったこどもたち、これから一緒に歩いていこうとしていた親御さんたちの想いも詰まった場所だと感じました。

その加賀の潜戸に向かって、潜戸太鼓を奉納するイベントも用意されている、

桂島海水浴場海開きが、7/9()に行われます。

桂島海水浴場海開き案内

10:30から、桂島で海の安全祈願の後、

11:00から、

海では、漁船・遊覧船によるパレードが、

陸では、加賀の潜戸に向かって、潜戸太鼓の奉納が行われます。

今年の海での安全を願って、ぜひ足を運んでみて下さい。