アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【体験教室】 ミニ門松づくり
2016年12月27日今年最後の五色台体験教室は、毎年恒例のミニ門松づくり。
昔に比べて門松を飾る家も少なくなりましたが、年神様をお迎えするための依り代として大切な伝統行事です。ホームセンターなどで購入する門松もステキでいいのですが、自分達でつくった門松なら玄関に合わせた大きさや飾りのアレンジも可能、何より愛着も湧きます。
今年も大人気のプログラム。どんな門松が仕上がるのでしょうか。
現在では竹が主役となっている門松ですが、その昔は松が主役でした。
中国が唐と呼ばれた頃に長寿を象徴する松を門前に飾ったことが由来とされ、日本で新年に松を持ち帰る風習がうまれたのは平安時代からだとか。その後、慶事(お祝い事)に松竹梅が使われるようになったのが室町時代からなのだそう。その歴史は深い!
まずは自分好みの土台と立てる竹を選んで、スタッフから作業説明とノコギリの使い方デモンストレーションのレクチャーが終わったら、門松づくりのスタート!
土台となるモウソウ竹は直径15㎝ほどの大きさ。長めの竹挽きノコ(五色台では刃長27~30㎝)を使って、力を入れず刃をまっすぐに挽いていきます。慣れないと大変ですが、コツが分かればササクレなくきれいに早く切り出すことができます。
土台の竹を切り出す時は底になる節部分を切らないように注意してくださいね。オアシスに含んだ水が抜けてしまいますよ。
1つの土台に対して3本のマダケを立てる竹は、最長部40㎝、35㎝、30㎝の長さに切り出します。立てる竹の見える側の切り口は斜めに切ります。これ、ガイドなしで切り出すと、角度がバラバラになり見た目も不格好・・・。
そんな初めてさんでも大丈夫!なんと上手く切る道具があるのです。
節をまたいで切れば節がにっこり顔のように見えますよ。
多くは斜めに切ったそぎ切りですが、地域によっては真横に
切る寸胴切りもあります。
全ての材を切り出せたら、水拭きと紙ヤスリを使って
ササクレをキレイにしたら、仕上げに取りかかります。
立てる竹3本は輪ゴムで仮止めしてシュロ縄でとっくり結び。
できなければ固結びでも構いませんが、とっくりだとしっかり
結べて、荷物を梱包する時にも役立ちますよ。
結び目は前にして見せてもいいし、後ろに隠してもOK。
土台の中に縛った3本の竹を入れて、隙間にオアシスを詰めて
いきます。細かく切って入れるより、おおまかに切って入れた
方が早いですよ。
バランスを見ながら、マツ(黒松・赤松)、ナンテン(今回は用意したのは赤のみ)、紅白梅を生けますよ~。
ここで迷うのが「どっちが黒松?赤松?」と混ざってしまった時。樹皮の色でも見分けできますが分かりづらいので、針葉の先を触って痛い(堅い)方が黒松(雄松(おんまつ))、柔らかい方が赤松(雌松(めんまつ))と覚えるのが簡単です。
生け方は向かって左が黒松、白ナンテン(赤でも可)、白梅を、右を赤松、赤ナンテン、紅梅。これはお雛様と同じ向きで飾ると思えば覚えやすいかも。
【完成!!】
ある程度のルールを守りつつもアレンジ次第で世界に1つの門松ができます。
門松は12月10日を「松迎え」とし、お正月の準備を始める基準となります。ただし、12月29日は29=二重苦とされるため、この日に飾るのは避けましょう。また12月31日は「一夜飾り」とされ、神様を迎えるにあたり誠意が足りないとされるので、早めに準備して年神様をお迎えしましょう。
今回、ホストファミリーと一緒に参加してくれたブルネイからの留学生。一緒に竹伐りから生けるところまで一緒に作業し、日本の伝統行事を楽しんでもらえました。
海外からのお客さんや自分が旅行に行った際に日本の伝統行事について聞かれたり、お話できるとより日本文化を伝えられますし、また相手も偏った日本のイメージを変えることができ、日本への興味も湧いてくるかもしれません。