アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【体験教室】 サザンカの花びら染め
2016年12月01日11月も後半にさしかかる紅葉真っ盛りの中、五色台では「サザンカの花びら染め」の体験教室を実施しました。今年で3回目を迎える人気教室です。
普段使っている衣料品や雑貨のほとんどは合成染料と呼ばれるもので染められています。これは手芸店などでも手に入り、洋服や雑貨のリメイクに使えるお手軽アイテム。
今回の花びら染めは、植物などから色素を抽出した天然染料を使って染めるため、天然由来でやさしく、自然本来の風合いや色を楽しむ染め物体験です。
講師は草木染めでおなじみ、あそ美工房から角田眞理子さん。
今回も染めるための白布として、シルクとガーゼ素材のバンダナやショール数種を用意していただきました。
アイスブレイクでサザンカの豆知識を学んだ後は、講師から染める布への模様付けレクチャー。
模様付けに使う道具は、ビー玉、ビーズ、おはじき、割り箸、輪ゴム、洗濯はさみ。
「こんな模様をつけてみたい!」と計算してやろうとしても染料の入り具合などで少し想像と違った模様になることも。それが機械や合成染料を使わない染め物の魅力なのですが、みなさんなかなか想像がつきません。
それでも「こうなるかなぁ」「ここにポイント入れてみよう」など思い思いに模様付け。
模様ができるということは、その部分に染料が染み込んでいないということ。なので、タコ糸をゆるく巻いたり、縛りがゆるいとあまりキレイな模様が出ないことがあるので、しっかりとくくりましょう。
1つできると、「もう1枚、染めてみたいなぁ」なんて気持ちも。そんな時は本能のままに作ってみるべし。
できる時にチャレンジすることが大切なんです。
(「染料が足りないから限界、できません(泣)」という時もありますが。)
これが一体どんな模様になるのやら・・・?
模様付けができたら、染料が布にまんべんなく染まるように水に浸しておきます。乾いた部分が残ると、水を含んだ部分に比べ色素が入るのが遅くなりムラができてしまいます。
いよいよ染料づくり。
サザンカの花びらは、一昨年から五色台ビジターセンターや休暇村周辺で採集し、冷凍保存しておいたもの。
フリージアとマリーゴールドは講師が用意してくださいました。見た目色の違う2種ですが、実際に染めるとその時々で色の具合が変わるのだそう。
ネットに入れた花びらをボウルに入れ、その上から湯と酢を加えたら、花びらを揉み込んでいきます。
<左:フリージアとマリーゴールドのミックス> <右:50℃の湯:酢=1~2:1 計量せずだいたいでOK>
サザンカを揉み込んでいくと、どんどん泡が出てきます!
この泡が多いほど布に色が浸透する力があるということなのだそう。これを聞くと、がぜんやる気が出ます。
フリージアとマリーゴールドは泡が立たなくてOKなのだそう。
泡が出る植物と出ない植物があるのも何だか不思議ですね~。
色が出たら、花びらを取り出してザルでこします。染料が少し冷たくなっていたら40℃まで温めたらできあがり。
布を水から引き揚げ、軽く絞ってからみんなで一斉に漬けます。
同じボウルで染める人でもガーゼ素材は3秒くらい後で。
というのも、シルクよりもガーゼの方が水を吸い込みやすいので色素もその分先に取ってしまうのです。
この間もできるだけ40℃を保つと染まりがいいそうですよ。
<どんどん染まってきた~♪>
色が染み込むようにやさしく揉み込みながら待つこと約20分。
ドキドキしながら染料から布を引き揚げて、模様付けしたビーズなどを外していきます。
軽く水洗いして干したら完成★
↑フリージア&マリーゴールド(素材:シルクストール)
←サザンカ(素材:シルクストール)
仕上がりはこのような色ですが、皮革製品と同じように時間が経つと少しずつ色合いが変化していきます。そうなると、自分だけの作品ができあがり、より愛着がわいてきますね。材料集めは少し大変、だけど意外と簡単にできる自然の染め物は、劇薬を使わないので安心して自宅でもできますよ。寒い冬のオススメものづくりです。
<みんな一緒に作品のお披露目★>
■草木染めをした衣類のお洗濯方法■
おしゃれ着洗い用洗剤もしくは手洗いで。最近の洗濯洗剤は漂白剤は入っているのでNG。
■染める布は何でもいいの?■
草木染めの染料は、白布にタンパク質が入っていないと色素が浸透しないのだそう。
シルクなど動物性繊維は購入したままでOKですが、麻やコットンなど植物性繊維はタンパク質を
含ませる下処理が必要です。
1:1の豆乳と水に20~30分ほど浸した後、脱水機で30秒脱水。(均等に脱水できます)
シワを伸ばして天日干ししたら下処理のできあがり。
シワが伸びていなかったり、脱水が甘いとムラ染めの原因になります。
また、アクリルやレーヨンなど合成繊維はあまり染まらないようです。
他にも草木染めを調べるとネットなどに掲載されていますので、いろんなチャレンジをしてみてください。
草木染めは何度も染められて、何度も違う色、風合いに出会うので驚きの連続です。