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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【紅葉情報】 寒霞渓の秋2016

2016年11月22日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

11月中旬にもなると紅葉もいよいよピーク!

「しまった!まだ紅葉見に行っていないよ~」とお嘆きの方もまだ見頃を迎えている場所はあります!

今回は香川県内屈指の紅葉の名所として多くの観光客が訪れる寒霞渓のご紹介です。


寒霞渓は小豆島の中央部に位置する標高約300800mの山々と渓谷で日本三大渓谷美のひとつに数えられています。(あとの2つは耶馬溪(大分県)、妙義山(群馬県))

渓谷には長年の風雨などで浸食された奇岩絶壁がそびえ立ち、その間を彩る春のサクラ、夏の青々とした森も美しいですが、何と言っても秋の紅葉は外せません。

さぁ、今年の紅葉の色付きはどんな感じでしょうか~?

山頂からスタートし、まずは裏神懸歩道へ!

常緑樹のヒサカキやシロダモに囲まれた林と少しガレた道(イノシシの仕業・・・)を抜けると・・・


<松茸岩付近の歩道とダンコウバイの色付き>


<石門洞・本堂はなんと岩の中!>



石門洞本堂を参拝すると、窓からはこんな景色が!

周辺では県内でも限られた場所でしか生育していないミセバヤ(香川県RDB/CR+EN・環境省RDB/EN)※がピンクの小さな花を咲かせていました。


<石門洞から紅雲亭へ>

常緑樹の中でも上を見上げれば紅黄葉に染まるさまざまなモミジが。



<↑猪谷池から見上げる寒霞渓>

<表神懸歩道→>

表神懸歩道は裏神懸歩道と違い、コンクリート舗装され、勾配も緩いので普段あまり山歩きをしない方でも大丈夫。ただ、サンダルやヒールなど滑りやすい靴は避けましょう。

歩道の中から眺める十二景は、今の時期限定の紅葉に囲まれた奇岩。十二景の奇岩以外にもトラップ的な奇岩(間違えやすい奇岩)もありますが、それはそれで「何に見えるかな?」大喜利で楽しんでみては?


<(左)歩いた所を四方指から望むと・・・>        <(右)紅くなりつつあるイワヒバ>

まだまだお見せしたい展望地からの風景はありますが、それは行ってみてからのお楽しみということで。


寒霞渓はいろんな方向から眺めを楽しめること、そのアクセス方法も自分の体力や時間によってアレンジできるのが押しポイント。

山頂付近の展望地から眺めるのもよし、星ヶ城山~麓にかけて巡る遊歩道を歩きながら眺めるのもよし、ドライブしながら、自転車で走りながら紅葉や空気感を楽しむもよし、またロープウェーから絶景を眺めるのもこれまたよしです。

そして、遠くから近くからどちらも眺めのよい景色だけでなく、その一部分として色を添える小さな植物にも大注目してほしい寒霞渓にぜひお越し下さい!


<歩きコースタイム>

山頂駐車場~(40分・1.5㎞)~石門洞~(301.2㎞)~紅雲亭ロープウェイ駅~(60分・2㎞)~四望頂~(鷹取展望地経由で30分・0.6㎞)~山頂駐車場

歩行3時間+ゆっくり眺める&休憩時間含め3.5時間~4時間くらいあれば十分。

朝露や雨天後は歩道が滑りやすくなっているので、履き慣れたスニーカーなどしっかりした足下装備をご用意くださいね。

<ご注意>

野生のサルが車道や展望地などにわらわらと現れることがあります。

エサをあげたり、車や各施設の扉やゲートを開けっ放しにしないようにしましょう。

野生生物へのやさしい気持ちは持ちつつ、人との距離感は守りましょう。


※RDB:絶滅のおそれのある野生生物レッドデータブック  

CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類  EN:絶滅危惧ⅠB類