アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【報告】湿原守ろうプロジェクトin鏡ヶ成
2016年11月18日標高約900mに位置する奥大山「鏡ヶ成(かがみがなる)」。
周りを山に囲まれてお皿状になった地形の真ん中に、湿原があります。
低木やササが侵入し、乾燥化が進んだこの湿原を守ろうと、
毎年春と秋にボランティアを募って保全作業を行っています。
先日実施したプロジェクトの様子をご報告いたします。
【11月10日事前作業】
11月16日の本番に向けて、刈払い・伐採作業などの関係者での事前作業を行いました。
2日前の雪がうっすらと残っています。
共催である休暇村奥大山、日野振興センター、江府町、鳥取大学、環境省のほか、
米子野鳥保護の会、自然公園財団、大山自然歴史館の皆さんにもご協力いただき、
総勢20名での作業となりました。
<伐採前> →→→ <伐採後>
<伐採前> →→→ <伐採後>
<刈払い前> →→→ <刈払い後>
毎年行っているこの作業ですが、自然再生を専門とする鳥取大学日置教授(研究室)や
院生の山田さんにより「湿原再生計画」を1年間かけて調査・作成いただき、
今年度からはその計画を基に作業を進めています。
これまで手を入れていなかった箇所の伐採も試み、大規模な作業となりました。
【11月16日本作業】
事前作業で伐採、刈払いをした草木を、ボランティアの皆さんにもご協力いただいて運び出します。
この日は関係者を含めて約30人が集まりました。
(協力:鳥取県自然保護ボランティア、山岳協会、王子製紙山岳部、サントリーブナの森工場)
ゾーン毎の班に分かれ、作業開始です。
伐採された山盛りの低木や草を担架で運ぶのですが、とっても重く大変な作業でした!
<作業前> →→→ <作業後>
<作業前> →→→ <作業後>
運び出す量もかなりのものでしたので、今回だけでは終わらなかったエリアもありますが、
茂っていた湿原のあちらこちらが、かなりすっきりした景観になりました。
隠れていた湧水が現れたり、低木で陰になっていた場所に陽が当たるようになったりと、
湿生植物の植生回復に効果が期待されると、日置教授もおっしゃっていました。
【午後の勉強会】
午後には鳥取大学山田さんによる「鏡ヶ成湿原の植生・植物」というタイトルでの勉強会があり、
前回の作業で現れた効果や、今回の作業により見込まれる効果について等もお話がありました。
皆さん熱心に聞き入っておられ、質問もたくさん挙がりました。
★今回参加された皆さんからは、
「計画に基づいた作業で、以前より湿原が良くなってきた」
「疲れたけど充実していた」
「毎回参加して、変化が見られたら良い」
「湿原保護のために科学的に裏付けをとりながら取り組んでいることがわかった」
「自分で作業した場所に、春にどんな植物がでてくるか楽しみ」
などのたくさんのご意見をいただきました。
ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。
(筋肉痛にはなりませんでしたか~?)
また来春にも実施しますので、ご参加をお待ちしています!