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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【三崎小学校環境学習④】 グラスボートで見残しへ!

2016年10月19日
足摺宇和海国立公園 谷吉萌

週末になると天気が悪くなる土佐清水からこんにちは!


さてさて三崎小学校の環境学習、今回は海を、地球を、体感できる授業でした。

講師は竜串でジオパークを営業しながら、長年サンゴ保全活動に取り組んでこられた竹葉さんと

市の職員で地質の専門家、土佐清水ジオパーク推進室の佐藤専門員です。


まずは、グラスボートに乗る前に、竜串のサンゴの歴史をおさらいです。

平成13年の西南豪雨後から、泥の除去やサンゴ移植などの

いろいろな活動によって、今の状態になったことを、写真を見ながら説明してもらいます。


それからクイズ!

これがなかなか難しく、まだまだ地元の海でも知らないことがたくさんあることを痛感しました。


ついにグラスボートで海へ!

すこし波がありましたが、みんな船底の光景にかじりつき。

「あっでっかい魚!」「緑のあれ、苔?サンゴ?」と、興味津々です。

海域公園の3号地と呼ばれるサンゴの群生地で停まり、

サンゴが育む豊かな生態系、そしてそれを守るための国立公園のしくみ、

大切な資源を取り尽くさないこと、次世代につなげていくことを学びました。


そして見残し海岸へ。

弘法大師が竜串にきて「みのこし」たというお話が由来のこの海岸。

1500万年前の奇岩群があって、周遊するとちょうど良い観光コースです。


ここで行うのが、地球の歴史を感じる、地質(ジオ)学習。

大昔にいきものが這った痕や、いきものの巣の化石などが見られます。

そして大小さまざまな穴が空いた奇岩、斜めに突き刺さるように切り立つ崖など、

大きな地殻変動や、じわじわと長い年月をかけて行われてきた変化を目の当たりにします。


お昼を挟んで、竜串湾を見渡せる展望台へ。

10月半ばも過ぎて、むしむしする暑さですが、見晴らしの良いところへ出ると、歓声があがります。

集合写真をぱちり。



最後に、土佐湾で見られるクジラについてのお話がありました。

ホエールウォッチングが盛んな土佐湾ですが、そもそもどうして土佐湾にクジラが来るのでしょうか?

答えは、山から始まる水の旅にあります。


海に流れこむ水をさかのぼると、川を通り里の傍を流れ、山に行きつきます。

山から栄養たっぷりの水が流れ出て、やがて川をながれ海にたどり着き、

たくさんの植物プランクトンを育て、それを食べる動物プランクトンが育ち、

さらにそれを食べる小魚が集まって、

最終的に、それらを食べるクジラがやってくる海になります。


この授業の趣旨でもある、「山・川・海・里のつながり」がよく分かるお話でした。


今回のこの授業を踏まえて、次は生きものをそだてる栄養の源、山へ行きます!




【おまけ】

授業の終わりにおもしろい50mメジャーの使い方がありました。

地球は今46億歳。見残しの地層は1500万年前のもの。

1億年を1mとして広げると・・・

46億年は46m。そして1500万年は、15センチ・・。小学生の靴よりも小さいんです。

見残し海岸で、1500万年前の化石を見て驚いていましたが、

地球46億年の歴史を考えると、本当につい最近のことなんですね。