アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【体験教室】 ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり
2016年09月12日夏の五色台体験教室の定番になりつつある「ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり」も今年で5回目を迎えました。今年も多くの方にお申し込みいただきましたが、残念ながらキャンセル待ちで参加できなかった方も。
講師はおなじみ五色台ふもとで養蜂家として生業されている中田養蜂さん。
今年もハチミツ絞り体験や意外と知られていないミツバチの生態や特徴などのお話、そして蜜蝋キャンドルづくりまでサポートしていただきました。
初めに絵本を使って、私たちが食べているハチミツができるまでのことをお話してくれました。
ハチミツ=花の蜜だと思いがちですが、実際に花の蜜を吸ってもそれほど甘くはありません。
サルビアやホトケノザの蜜を吸ったことがある人には分かるかも。
実は、ミツバチが花の蜜を体の中に取り込んで酵素を使って分解濃縮して巣に戻し入れたのが普段食べている甘~いハチミツです。そう、ミツバチがいないとハチミツは食べられません。
<大人も知らないハチミツの秘密にフムフム・・・>
ミツバチの働きを知ったところで、中田さんによる採蜜デモンストレーション。
ここでしっかり蜜ふたを取るコツを掴んだら、いよいよ採蜜体験です!
<巣を壊さないようにすーっとふたを取って>
<おっ!?巣板って意外と重い!>
<甘い匂いに誘われて思わずペロリ★> <遠心分離器に入れて、思いっきり回す!>
<巣板2枚で500ml瓶2本以上取れました>
採蜜順を待っている間は、中田養蜂さんが用意してくれた観察箱で女王蜂探しや面布(帽子にかぶせる蜂避けネット)と燻煙器を持って養蜂家スタイルに変身したりといろいろ楽しめます。
特に観察箱は普段じっくり見られないミツバチを見ることができるとあって、子どもだけでなく大人も興味津々のようす。
そして、採蜜が終わった後は、毎度おなじみハチミツ4種の試食会&ハチミツ種類当てクイズ。
さぁ、分かるでしょうか??
<かすかな風味や香りを頼りにして・・・う~ん。。。>
大人より子どもの方が無心で食べるせいか、味や匂いに敏感に反応を示してくれました。
お腹が満足したところで蜜蝋キャンドルづくりへ。
前回までは、溶かした蜜蝋の中にロウ芯を垂らして徐々に太くする縦長キャンドルでしたが、今回はシリコン型に流し込む型抜きキャンドルです。
好きなシリコン型に穴を開けてロウ芯を通して、竹串に留めます。そこに湯煎した蜜蝋(直火だと爆発するかもしれないのでNG)を流し込みます。この時、穴が大きいとロウが漏れるので、そんな時は少しずつロウを入れて固まっては入れ、固まっては入れる作業を繰り返しましょう。
漏れ出た蜜蝋はまた湯煎すれば使えます。
蜜蝋が固まるまでの間にミツバチ&ハチミツクイズとお話を。
みんなはどこまで知っていましたか?
○ミツバチって巣板に何匹くらいいるの?
巣板びっしりで2,000匹くらい。養蜂家は巣板に何匹×巣板何枚という数え方をするのだそう。
○女王蜂ってタマゴをどれくらい産むの?
毎日1,200~2,000個のタマゴを産みますが、毎日800匹のミツバチが死んでいます。
夏はだんだんと個体数が減ってくる時季。寒くなる秋を前に省エネ体制に変わりつつあり、
個体よりも団体生活を優先する社会性生物といえます。アリも同じですね。
○ミツバチの寿命は?
成虫で約1ヶ月。
ただし、女王蜂は7~8年と働き蜂に比べ長く生き、その内2~3年でタマゴを産みます。
○働き蜂はオス?メス?それとも同じ比率?
働き蜂は全てメス蜂。その中でも巣の中で幼虫の世話をするのは若いメス蜂で、外に採蜜に行くのは年配の
メス蜂。これは、外だと外敵や雨に濡れて帰ってこられなくなり死のリスクが高いため、あえて寿命の少な
い年配働き蜂が採蜜に行くのだそう。ミツバチなりの個体数調整能力がここで発揮されているわけです。
そして、働き蜂の仕事はというと・・・
蜜と花粉集め、幼虫の世話、巣作り、巣の掃除やゴミ捨て、巣の温度調整、門番や巣の防衛、
女王蜂と雄蜂へのエサやりなど、まるで私たちのお母さんのよう!
○ミツバチは蜂蜜以外にどんな役割を持っているの?
私たちがいただいているのはハチミツだけでなく、野菜や果物もミツバチのおかげ。
ミツバチが受粉の働きをしてくれることで野菜や果物に実ができ、それを私たちは美味しくいただいていま
す。また、栄養食品として有名はプロポリスやローヤルゼリーもミツバチから作り出されるもので、ミツバ
チはなくてはならない生き物だということが分かりますね。
知らないことだらけのミツバチのお話を聞いていると、こちらではそろそろ蜜蝋が固まってきたようです。
<できあがり★> <観察箱は見飽きない>
美味しいハチミツ、それにはいろんな種類があっていろんな味や風味があること。
そして、私たちの生活はミツバチの恩恵によって美味しい野菜や果物をいただくことができること。
こうした生き物のおかげで、またそれを養う養蜂家や農家さんがあってこそ豊かな食卓が広がることを知った体験教室。「この虫イヤだなぁ」と思うより、見方を変えて「この虫は一体何の役割を持っているんだろう?」と想像すると、世界が少し広がるかもしれませんよ。