アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
JPR事業~さがせ!「宮島子ども自然遺産」ふしぎ?びっくり!自然のすごさ伝えよう♪~(1日目)
2016年09月29日環境省では、子どもたちにレンジャー(自然保護官)の仕事を体験し、
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー(以下、JPR)事業を実施しています。
広島事務所では~さがせ!「宮島子ども自然遺産」ふしぎ?びっくり!自然のすごさ伝えよう♪~をテーマに9月17~19日(2泊3日)に宮島で実施しました。
【1日目】
宮島口に集合し任命式を行った後、
宮島市民センターに移動しオリエンテーションを行いました。
今回の任務はJPRとして自然調査を遂行すること、
そして、自分が伝えたい「宮島子ども自然遺産」を見つけ広く周知するというものです。
まずは国立公園やレンジャーの仕事について学習し、班での目標を決めました。
最初のミッションはシカのフィールド調査です。
一見何の変哲もない芝地、そして植物ですが
ここからもシカと植物のつながりが見えてきます。
近づいてよーく見ると、芝地にはシカに食べられまいと小型化した何種類もの植物が見られました。
一方で、大きく成長している植物はシカが全く食べない種類であることが分かりました。
毒やトゲで身を守っている植物もあれば、何もないのに食べられていない植物もあります。
なぜでしょうか??
宮島には宮島ならではのシカの痕跡が多数見られ、
中でも代表的なのが「ディアライン(deer line)」。
シカの口が届くのは2m前後のため、宮島には2m以下に殆ど植物が残っていません。
また、シカのフンがあちらこちらにあるため、フンチュウの仲間も確認できました。
[ディアライン:見事に植物の線ができています][フンチュウを発見!]
夕食後には宮島のシカが抱える問題と私たちとの関係について考えました。
シカは胃袋が4つに分かれており、バクテリアの力を借りて植物をタンパク質に変えていること、人からエサをもらうことに慣れたシカはビニール等を誤飲食しお腹にゴミが溜まっていることなどを学びました。
シカと人が共生するために自分たちにできることは何でしょうか?
[シカのお腹に溜まった3キロものゴミの塊] [シカの胃袋(実物)]
その後、小雨が降る中ではありましたが夜の森へナイトハイクにでかけました。
真っ暗闇の中、言葉を発さず夜の時間を味わいました。
初めての体験に「真っ暗で怖かった」「虫や川の自然の音が聞こえた」「眼が慣れて木の枝や葉が見えた」など様々な感じ方があったようです。
朝から夜まで盛りだくさんの1日目がこれで終了しました。[つづく]