アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
ミヤジマトンボ生息地の水路復旧作業
2016年06月15日
瀬戸内海国立公園
国内では広島の宮島だけに生息する
絶滅危惧種ミヤジマトンボの生息環境を保全するため、
ミヤジマトンボ保護管理連絡協議会では生息地の環境整備を行っています。
昨年度は近年増加しているイノシシが生息地に生育するヒトモトススキを食害するため、
防護柵を設置しました。
その甲斐あって今は獣害被害が止まり、元の湿地の状態に戻りつつあります。
http://chushikoku.env.go.jp/blog/2015/08/post-45.html
今回の環境整備は湿地と海をつなぐ水路の復旧作業です。
ミヤジマトンボは満潮時には海水が入り、
干潮時には干潟になる潮汐湿地でないと生存できないため
湿地と海をつなぐ水路が不可欠です。
ですが、この水路が砂で埋まり、
干潟が淡水化・プール化してしまう課題が十数年前から度々起きています。
干満差が大きく海の影響を受けやすい瀬戸内海ならではの課題です。
建設機械が入れない自然海岸のため、
ひたすらスコップで土砂を掻き出すという人力作業です。
また、過去に土留めとして設置した土嚢も除去しました。
[作業の様子]
水を含む砂や土嚢は重く、かなりの重労働ですが、
協議会メンバー総勢22名で頑張りました!
[復旧作業前:プール化しています]
[復旧作業後:干潟になった湿地]
ミヤジマトンボは今のところ順調に発生しています。
この日は天気もよく、たくさんのトンボが縄張りを張っていました。
今年も安定した発生数に期待です!
[調査でナンバリングされた成熟♂]