アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
自然観察会「新緑の宮島 歴史散策と自然観察」を開催しました。
2016年05月24日新緑萌ゆる季節となりました。
宮島地区パークボランティアの会で昨年企画した新緑の自然観察会が雨で中止となったため、今年はリベンジ再企画いたしました。
植物観察するにも気候的にも山歩きにはもってこいの季節。
抽選が必要なほど大勢の方にお申込みいただき、
当日は46名の方にご参加いただきました。
今回のコースは大元公園に集まり、
北側道路の最終地点である室浜までの広島大学植物実験所園路です。
5班に分かれ、各リーダーの解説を聞きながら約4キロを歩きました。
5月は開花が多い時期なので、観察できた花をご紹介します。
[サカキカズラ:種子も変わってますが、花も花びらがねじれて特徴的です。]
[ヤマボウシ:ハナミズキの近縁種。白い部分は花びらではなく総苞(そうほう)になります。]
[ホウロクイチゴ:この辺りでは宮島と元宇品でしか見られません。開花後は美味しい実をつけますが、シカとの競争になります。]
[エゴノキ:庭木としてもメジャーな樹木。垂れたかわいらしい花が印象的です。]
[セッコク:満開!いい香りがします。希少な植物ですので自然界から持ち帰ることは絶対にしないでください!]
[イワタイゲキ:今日のお目当て。希少な海浜植物で広島では宮島のみに生育しています。一見花に見える黄緑の部分は葉で、大きなめしべが出ている根元にある黄色い部分が花です。]
こうして見ると春は白い花が多いですね。
植物も花に色をつけるにはエネルギーが必要なため、
小さな目立たない花や花粉を運んでくれる虫が少ない季節に咲く花は色づく傾向があるようです。
虫の多い春は目立たせる必要がないというわけですね。
最終地点の室浜では、日露戦争に備えて整備された弾薬庫や砲台跡を見学しました。
100年以上前に建造されたものとは思えない緻密で堅固な造りです。
結局大砲を撃つ機会は一度もなかったようですが...
往復8キロ(桟橋から歩くと10キロ)という長い行程でしたが、
離脱者も怪我もなく無事観察会を終えることができました。
開花の最盛期はこれからです。
大元から室浜のコースは舗装道路で殆どが日陰です。
これからの季節でも歩きやすいコースですので
弥山以外の宮島山歩きも楽しみたい方は是非足を運んでみてください。