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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 五色台カフェ・春の野草ランチ

2016年05月09日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

報告が遅くなりましたが、今年度最初の五色台体験教室を4月10日に開催しました。

3回目の開催となる野草試食会。毎回、興味津々で申し込んでくれる参加者と一緒に野草を採取して、仕分け、調理して食べてみようというもの。

講師は草木染めの講師としてもおなじみの角田さん。そして、地元でパン屋さんを営んでいる片山さんやいつも来て下さる頼もしいスタッフが野草探しや調理をお手伝いしてくれます。

さて、今回はどんなお料理ができあがったのでしょうか。


はじめに講師のご挨拶、諸注意などを終えたら、早速、みんなで野草探しに出かけます。

野草探し担当は忠さん。「こんな野草も実は食べられますよ~」と、おもむろにスイバを採って、口にパクリ!親御さんの中には「あ~、子どもの頃食べたわ~」と言う方、子どもは恐る恐る食べて、「・・・すっぱ!」「う~ん、微妙・・・」とさまざまな反応でしたが、そのままの野草の味を知ってもらいました。


<見たことのある野草ばかり。・・・これも!?>


初めのうちは「どれが食べられるの?」「ほんとにこんな生えているのが食べられるの?」と頭の中は「?」だらけ。(顔にも出ていましたが(笑))

そんな顔を浮かべながらも徐々にホトケノザとカラスノエンドウ、スズメノエンドウ(これは採取しません)の見分けが付いてきたり、ハコベやイタドリ、今が咲き時のゴヨウアケビの花などたくさん採取できました。だんだんと野草を見る目が「これも食べられるのかな?」と30分前とは違ってきているのが面白い。

クラフトハウスに戻ったら、みんなで採取した野草を仕分けします。

この頃になると、見比べなくても野草の名前が分かるようになっていました。


<これも採ろう!><みんな仕分けが早い!>


そして、いよいよ調理!

天ぷら、ホットケーキ、おにぎりづくり、他にもいろんなサイドメニューづくり斑などスタッフに習って作っていきます。調理に入る以前に大切な役割・野草のそうじをしてくれる人、子ども達は率先して卵焼きや酢の物などお料理に挑戦していました。包丁の使い方も慣れたもの。少し後手があったものの、予定していたお昼には全てが完成しました。

さぁ、みなさんお待たせしました!みんなで「いただきま~す!」


<卵焼きに、ワラビのちくわ詰め、奥では・・・>


<待ちにまったランチタイム★どれを食べようかな>



・・・今回作ったお料理・・・

・天ぷら(ワラビ、ハコベ、タンポポ(花茎・葉)、タラノメ、イタドリ、スイバ、アケビ、ツバキの花、スミレ、ヨモギ)

・野草かざりのホットケーキ ・冬葉と春葉のイタドリ、クワの実など5種のジャム

・カンゾウの酢味噌和え ・カンゾウの卵焼き ・ワラビの卵とじ ・ワラビの白和え

・ワラビのちくわ挟みとオーロラソース ・ハコベと塩昆布和え ・ハコベ塩とおにぎり

・レンゲの酢の物 ・春雨とカラスノエンドウと小エビの玉葱ドレッシング和え

・フキ味噌カナッペ(焼いたお揚げの上にフキ味噌) ・野草スープ ・ビワ葉茶


前回よりも多くのお料理ができ、定番の天ぷら以外にもいろんな和え物や、野草をトッピングすることでいつものホットケーキが華やかになるなど、いろんな見せ方、味わい方があると知りました。

スーパーでも売られている山菜の他にも、昔からヨモギや桜、柏(香川県ではサルトリイバラを使っていたそう)を餅に使うなど、自然にある野草を使った食べ物が食卓に並び、それらを食べることで日本人は四季を感じ取っていたのでは。

春は新芽の時期。芽吹く力を蓄えた新芽を少しいただくことで、私たちにも少し力を分けてもらえたような気がしました。


※初めて野草を食べる方は知見のある方と必ず採取してください。

 なかには食用に不向きな野草もありますので、十分ご注意ください。