アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
蒜山の山焼き(岡山県真庭市)
2016年04月19日
大山隠岐国立公園
火を入れることによって保たれてきた蒜山(ひるぜん)の草原。
田畑の肥料の原料や茅葺屋根の資材を調達する場として、昔から人々の生活に利用されてきました。
今もなお、伝統的な山焼きを続ける地域があります。
●4月10日(日)
蒜山の延助地区が行う山焼き作業に、ボランティアとして参加しました。
地元の方々と、「ささゆりの会」の呼びかけで集まったボランティアと、総勢50名程での作業となりました。
↑ジェットシューター体験(写真中央) ↑竹のたいまつやバーナーを使って火をつけます。
燃え残りを消したりするのに使います。
↑徐々に火が燃え広がります。 ↑遠くにいても炎の熱を感じます!
↑草を刈って作る火道(ひみち)や道路が防火帯となって、火入れ予定地以外に火が燃え移るのを防ぎます。
【火が草原に燃え広がる様子】
↑風向きや地形などによって燃え方も様々です。
危険が伴う火入れは、長年の経験と知識と技術が必要な作業です。
↑大きな火柱が、炎の威力を物語っています。
今年も無事に作業を終えることが出来、地元の皆さんもほっと胸をなでおろしていました。
今は焼野原ですが、すぐに草木が芽をだして山は鮮やかな緑色に包まれます。
山焼きを行わなければ、草原はやがて森へと姿を変えていきます。
毎年のこの作業によって、爽やかな草原の風景が保たれているのですね。
この場所に生息・生育する動植物の中には、草原環境でしか見られない貴重な種類もいます。
生活環境が変わり、草原を活用することが少なくなった今、山焼きの範囲も少なくなってきています。
1000年も続いてきたこの風景を、これからも守っていきたいですね。
↑ショウジョウバカマが花を咲かせていました。