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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

H27年度 三崎小環境学習「グラスボートで見残しへ」

2015年12月04日
足摺宇和海国立公園

11月20日に、三崎小5年生の環境学習「グラスボートで見残しへ」が行われました。

グラスボートで海中観察し、見残し海岸および竜串海岸でこの地域の特徴的な地質について学びます。

講師は、竜串観光汽船・竹葉さんと市ジオパーク推進室・佐藤さんです。

 

まずは、竹葉さんから竜串湾のサンゴの変遷のお話しがありました。

環境変化や豪雨、オニヒトデの大発生で1度は壊滅した竜串のサンゴですが、

海の清掃や泥取り、オニヒトデ駆除などでかつての姿を取り戻しました。

そして、恒例の海を知ろうテスト!

今年も先生からも難しいとの声があがりましたが、土佐清水の海に詳しくなれたかな!?

 

その後はいよいよグラスボートに乗って海中を観察です。

クシハダミドリイシなどのテーブルサンゴ、その名の通り脳の形に似ているノウサンゴ、

そして、巨大なシコロサンゴとそのまわりにいるイシモチやフエフキダイなどの魚、

ウツボなど様々な生き物が観察できました。

 

 

船を降り、見残し海岸へ上陸。

ここでは、その見た目や特徴にちなんだ名前がつけられている岩がたくさんあります。

つづみ岩、こけし岩、うずまき岩など。

【↑子ども達にも人気だった叩くとポンポンと鳴る「つづみ岩」】

 

皆さんは、この岩は何に見えますか?

イノシシに見えるという人が多いようですが、

ハリネズミ、人の顔など様々な意見が出ました。

 

そして、佐藤さんから専門的なお話しもわかりやすくしていただきました。

例えば、こちらは生痕化石(生き物が生活した跡の化石)一つ↓

ちょっと犬のフンのような形にも見えますが、

ザリガニのような姿をした生物「スナモグリ」の巣穴だそうです。

 

見残しや竜串でも多く見られる、

ボコボコと穴のあいたような岩の表面「タフォニ」、茶色の丸い塊「ノジュール」

   

この2つが同時に見られるのは、世界中でも3ヵ所ほどしか見つかっておらず、

とても貴重な場所だというお話しもあり、子どもたちも驚いていました。
 

お昼を食べた後は、展望台から竜串湾を眺め、再び船に乗って戻ります。

 

帰りの船でも、よさこい節の歌詞にも出てくるクジラの話しを元に、

食物連鎖や、山の栄養が川を流れ、豊かな海をつくるという

海山川のつながりのお話しがありました。

 

船で戻った後は竜串海岸で、

貝の化石を探したり、過去の地震により海底で地滑りが起きた証「欄間(らんま)石」などを観察しました。

昔の生き物やこの場所で起きたことなど、

地球の歴史を地質からたくさん知ることができた授業でした。


 

そしてまとめでは、竹葉さんの行ってきた海の清掃やサンゴを守る活動を、

全員がやってみたい!と元気よく答えてくれました。

今日目にした竜串の美しい自然がいつまでもあり続けるように、

できることから、ちょっとずつやってみてくれたら嬉しいですね!

 

海の学習は今回で終了です。次回は山で間伐体験の予定です。