アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【外来生物対策】大山の貴重な生態系を守る
2015年10月08日「外来生物」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?
ブラックバス、アライグマ、カミツキガメ・・・
最近ではメディアで取り上げられることも多くありますね。
では、これは何という花でしょう?
「ブタナ」といって、これも外来植物です。
道路脇などによく生えている、タンポポに似た花です。
ヨーロッパからやってきたこのブタナをはじめとした外来植物は、
日本にもともと生えている「在来植物」よりも繁殖力が強い場合が多く、
いったん侵入すると人の手で除去をしない限りどんどん生育域が拡大していきます。
そうなると、もともと生育していた植物の生育地が奪われ、例えば高山植物が少なくなったり、
山の景色が変わってしまったりということが起こります。
●今回は、石川県の白山において外来植物対策の活動などに熱心に取り組まれている
お二人の講師をお招きし、事例講習会と技術講習会を、2日間に渡って行いました。
日時:平成27年9月30日「事例講習会」@モンベル大山店
10月1日「技術講習会」@桝水フィールドステーション
講師:稲葉弘之氏(環白山保護利用管理協会)
野上達也氏(石川県白山自然保護センター)
<1日目 事例講習会の様子> <2日目 技術講習会の様子>
●1日目の講習会では、外来植物の分布、外来植物問題への取組み状況や実施体制、
外来植物の侵入防止対策、除去方法の紹介など、白山地域の事例をお話しいただきました。
約25名の参加者の皆さん、熱心に耳を傾け、質問などされていました。
●2日目、お天気は一変し、雨風の強い日でした。
少し雨風の弱い時間を見計らって外に出て、実際に外来植物駆除を実践しました。
<除去作業の様子> <短時間でこれだけ除去できました>
オオバコ3.5kg
ブタナ5.1kg
セイタカアワダチソウ15kg
ヘラオオバコ1.6kg
ヨウシュウヤマゴボウ4.4kg
ヒメジオン1.02kg
参加者15人で1つの場所を20分程作業しただけで、こんなにたくさんの種類の外来植物が!
場所や根の生え方等によって、使う用具や除去方法も異なります。
効率よく、確実な方法を、改めて学ぶことが出来ました。
午後に行ったワークショップでは、実際に大山でどのような取り組みをしていくべきか、
どのような取り組みが可能かどうか、地域ごとに分かれてアイデアを出し合いました。
「まずは、外来植物が存在する風景に『違和感』を感じること。そこから活動が始まる。」
このように講師の先生はおっしゃいました。
『外来植物そのものは決して悪者ではない』のですが、
大山の素晴らしい景観と貴重な生態系を守るため、皆さん一丸となって活動をしていきたいですね。