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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり

2015年08月26日
高松 大林めぐみ

今年もやってきました!

ここ数年の五色台体験教室大人気プログラム・『ハチミツ絞りと蜜蝋キャンドルづくり』。

毎年募集をかけるとあっという間に定員いっぱい、キャンセル待ちとなってしまう人気プログラムの講師は、五色台麓で生業されている中田養蜂さん。

体験教室にはリピーターさんも多く参加されますが、ハチミツ絞りは初めてという方がほとんど。

今日はハチミツのこと、それらを作るミツバチのことを一緒に知って学んで、体験しましょう!

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まずは、どうやってハチミツができるのか、巣箱には一体どのくらいミツバチが住んでいるのかなどのお話をしていただきました。

<子どもも大人も、そしてスタッフも興味津々で聞いていました>
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まず、「ハチミツはどうやってできるか知っている人」の問いには、なんと1人だけ手が挙がりました。

一般的には知らない人が多いようです。

ミツバチが花から蜜を採って、それを巣箱に貯めていくのはご存知ですよね。

じゃあ、ミツバチはどうやって蜜を採って、巣箱まで運んでいるのでしょう??

アニメではよく壺を持ったミツバチを見ますが、実際は見たことがないですよね。

ミツバチはストローのような口から蜜を吸って、お腹の中にある「蜜胃(蜜のう)」に蓄え、巣まで運び、また口から出して巣の中に貯蔵します。お腹がパンパンになっているミツバチとそうでないミツバチを見つけたら、「今、蜜を貯めているんだな」と分かるそう。吸った蜜はただお腹に入れて出すのではなく、ミツバチの体の中で酵素分解することで5倍~10倍に濃縮された甘いハチミツができあがります。

花の蜜を吸ったことのある人なら分かると思うのですが、実際、花の蜜ってハチミツのように濃厚でもないし、そこまで甘くもありません。ハチミツはミツバチがいるからこそできる食品なのです。

じゃあ、花粉は?お腹に貯めるの?

後ろ足外側に「花粉かご」があり、そこに花粉をくっつけて移動します。花粉をくっつけたミツバチが他の花に移った時に花粉を落とし、それによって野菜や果物が受粉交配し、美味しい実を付けたり、また巣に持って帰って幼虫のエサになったりと花粉集めもミツバチにとって、人にとって大事なお仕事なのです。

食べたことのあるハチミツですが、どうやってハチミツができるのか、ミツバチの役割などを初めて知り、お話の最中は特に大人の方が「へぇ~」と関心していました。

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さぁ、いよいよお待ちかねのハチミツ絞り体験です!

体験する順番を決めて、まずは巣板にある白い蜜蓋をナイフで取ることから始めます。

中田さん達にコツ教わりながら、蜜蓋をこそぎ取っていきます。さすがお母さん達はいつもお料理をされているだけあって、ナイフさばきも上手!子ども達も負けじと慎重に蜜蓋を取ることができました。

この蜜蓋は蜜蝋でできており、これは蜜を長く保管できるようミツバチたちがつくるもの。

巣板両面共、蜜蓋が取れたら遠心分離器に入れます。

<遠心分離器の中はこんな感じ>


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そして、一気に、思いっきり回します!!

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最初は遠慮がちだったけれど、「もっともっと早く」の声に一気にスピードアップ!

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みんなからの注目の的の中で回した遠心分離器には、飛び散ったハチミツがキラキラとしてなんともきれい♪

最後は大人がフル回しで最後まで降り出しました。

そして、今回も絞りたてハチミツを持ち帰りできます。本当に贅沢!しかも大容量500mlも!

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順番を待っている間、他の家族は何をしているかというと。

<「女王蜂はどれ?」「うわぁ!大きい!」初めて見る女王蜂に釘づけ>

働き蜂と女王蜂を入れた観察ケースを見て、実際どのくらい体格差があるか、他に違いはあるかなどじっくり観察したり、分からないことを中田養蜂のユウさんに質問したり、養蜂家の格好をしてみたりとやることいっぱい。

単純にハチの観察箱をずっと見ている子もいたくらい、飽きなかったのでしょうね。

全員が絞り終わったら試食タイム。今回も豪華に4種類用意してくれました。

さぁ、味はどんなかな?

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<正解は最後に>

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この後、少し休憩をした後、巣板から採れる蜜蝋を一旦溶かして作るキャンドルづくり。

蜜蝋は化粧品やクレヨン、工業資材など幅広く使われる素材。天然素材からできていると分かれば使う側も安心ですよね。

溶けた蜜蝋に糸を垂らして、少しずつ付けながら太くしていきます。

あまり長く付けると糸に付いたロウが溶けてしまうので、付けたらすぐに出しの繰り返し。根気作業ですが、少しずつ大きくなっているのが分かれば、思わず顔にも笑みが。

<蜜蓋も六角形のも蜜蝋です>

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キャンドル本体ができたら、ワイヤーで台座づくり。予め円筒形のものを使えば、上手く巻けますよ。そして、耐熱ガラスにワイヤーをボンド留めして、キャンドルをセットすれば完成★

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私たちは、ミツバチがいるおかげで美味しい野菜や果物の実ができ、そしてハチミツや蜜蝋なども頂けます。

しかし、数十年前に比べると花が減り、それによってミツバチの生育状況に変化が起こっているそうです。

ミツバチを見かけたら、「ハチだから危ない!殺虫剤!」と思わず、「何の花の蜜を採りに行ってるのかな?」「このビニールハウスでは、たくさんのミツバチが活躍しているんだな」など違った目線を向けられるようになると、うれしいですね。


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***試食の答えは***

1.アカシア 私はあっさりしているので、ハチミツレモンを作る時に使います。

2.みかん ほんのり柑橘の香り。これも私はハチミツレモンや紅茶に入れたりしています。

3.玉ねぎ 玉葱のハチミツは珍しい。少しネギっぽい香り、風味がします。

4.さくら 桜の若芽のような香り。

パンやケーキを作る時、酸味のあるものを漬ける時、コーヒーや紅茶など普段飲んでいる飲み物に加えて一工夫したりと、ハチミツひとつで簡単アレンジ。

特にパンやケーキに入れて焼くと、風味アップ、しっとりして美味しいですよ~。

ハチミツはそれぞれ違う味、風味があるので、好きなテイストを見つけて、またどんな料理に合うか探してみるのも楽しいですよ。

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********************9月の体験教室********************

秋といえば、、、スポーツの秋!今年は自然体験型運動会に参加してみませんか?

バッタ採り競争、箱の中身はなんだろうなゲーム、生き物からの挑戦状などなど目白押し!

             『秋のネイチャー運動会』

日 時:9月27日(日)9:00~12:00

場 所:五色台ビジターセンター クラフトハウス

    (ビジターセンター前駐車場から木道を通って徒歩3分)

参加費:300円/人(保険込み)

持ち物:動きやすい服装、飲み物

問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479