アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【島根・隠岐】名垣の講演がありました!
2015年08月11日
大山隠岐国立公園
知夫里島の名垣
島根県沖の日本海に浮かぶ隠岐諸島は、貧栄養な土地から効率的に作物を得るため、中世から1970年代まで、放牧と畑作を交互に繰り返す「牧畑(まきはた)」と呼ばれる独特の農法が営まれていました。この牧畑には、耕作地などを区切るため名垣(みょうがき)と呼ばれる石垣が作られており、石垣と放牧地が作り出す風景は国立公園を象徴するものとなっています。しかし、近年、高齢化などにより、石垣の管理が行き届かず、一部が崩壊しつつあります。
今般、環境省のグリーンワーカー事業において、知夫村和牛改良組合の協力のもと、名垣をどのように維持管理するかを考える講演会を開催しました。講演会では、和歌山県世界遺産センターの辻林浩講師をお招きして、世界遺産・熊野古道で行われている住民やボランティアによる参詣道の維持・補修(道普請:みちぶしん)の事例をご紹介いただきました。
今回の講演会によって、名垣の維持・補修が、地域の資源を守るだけでなく、観光や教育の振興にもつながる可能性を強く感じました。