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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

夏の自然体験教室「夏だ!干潟だ!カニ釣り大作戦」開催

2015年08月05日
瀬戸内海国立公園 大髙下理恵

7月25日(土)に自然体験教室を開催しました。

夏といえば、干潟!

干潟といえば、カニ!

ということで、3歳以上のお子さんを含むご家族を対象にカニ釣り体験を企画したところ、

なんと80名以上の方からご応募いただきました。

スタッフの数や安全管理上、全員はお受けできませんでしたが、

保護者を含む33名の方にカニ釣り体験、カニの生態について学んでいただきました。


初企画、初対面の皆さんということもあり、

本日の目標やルール、日程を確認し、アイスブレイクを行いました。

カニを釣るにはカニの気持ちがわからないと釣れません!

そこで、チーム対抗カニ歩き合戦を行いました。

カニの気持ちがわかったところでいざ干潟へ向かいます。


瀬戸内海は干満の差が大きく、

広島は河川が多いため、河口干潟が多数存在します。

干潟には数種類のカニが生息していますが、

入り交じっているわけではなく、

砂地、泥地、葦原(よしはら)など"すみ分け"をしています。

じーっとみると、「何か動いとる!」「カニじゃ!」とカニを発見。

保護色なので見えにくいですが、

大きなハサミを振りかざしているハクセンシオマネキは皆発見できました。

何の為にハサミを振っているのか?という質問に、

「体操してる!」という意見には

なるほどそういう考えもあるのかと感心してしまいました。

(シオマネキに聞かないと分かりませんが、求愛ダンスとされています。)

[右が葦原、左が河口干潟。カニが見えるでしょうか?]

[ハクセンシオマネキ]

カニ釣りに入る前にまずは釣り竿作りです。

葦にたこ糸をくくり、重りとエサをつけて、いざカニ釣り場へ!

今回は葦原にすむ雑食性のアシハラガニやハマガニを狙います。

そろ~っと釣り糸を下ろすと...

きたきた!

釣れた~!!

エサはさきいか、たくあん、きゅうりを用意し、どれがたくさん釣れるか予想してもらいましたが、意外にもたくあんの食いつきがよかったようです。

大人も子どもも夢中になって釣りまくりました。

釣果は一家族数十匹。全員で数百匹は釣れました。

[本日の釣果!]

最後に今日釣ったアシハラガニがどうやって大人になるのか?

実際に赤ちゃんガニになって模擬体験するアクティビティを行いました。

波打ち際で放出した卵はゾエア→メガロパ→稚ガニという順に少しずつ大きくなりながら数ヶ月間海を漂います。魚に見つかると食べられますが、藻場にいるときは安全。稚ガニになると干潟に戻り、葦原で大きくなりますが、葦原までは天敵の鳥に食べられることもあります。

天敵の魚や鳥は親御さんになってもらい、

さて、何人が生き残って葦原に戻って来られるか!?スタート!!!

[にげろにげろ~!]

19人のカニたちが一斉に藻場を目指し、6人が無事生還しました。

実際には一個体約5万個の卵を放ち、大人になれるのは数匹です。

たくさん釣れたカニたちですが、

実は試練を乗り越えて奇跡的に生き残った強者たちだったんですね。

海での遊びは楽しいな!

海っていろんな生きものがいるんだな!

生きものは皆一生懸命生きてるんだな!ということが

今回の自然体験教室で少しでも伝わっているといいなと思います。

釣ったカニを持って記念撮影!

暑い中お疲れさまでした!!

※釣ったカニたちは放流しました。