アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【大山 夏のお花畑~ユートピア尾根~】
2015年07月17日大山には、弥山(標高1709m)を目指す「夏山登山道」や「行者登山道」の他に、夏場に人気のルートとして「ユートピア登山道(通称)」があります。大山を西側(米子市側)から眺めて左側に突き出たピーク「三鈷峰(標高1516m)」を間近に望むことができるルートです。大山寺より元谷、そして上宝珠越と、北壁を眺めながら谷伝いに歩く変化の多いルートで、無雪期の総合的な歩行技術を必要とする中・上級者向けのコースでもあります。稜線上に見える「ユートピア避難小屋」を目指し、汗を流して険しい道を歩きます。
<険しい登山道をのぼります> <三鈷峰、その奥には日本海が見えます>
夏になるとこの稜線付近にはたくさんの高山植物が咲き乱れ、美しいお花畑となります。ナンゴククガイソウ、オオバギボウシ、カラマツソウ、シュロソウ、シモツケソウ・・・色とりどりの花々が一面に咲くその様子を見ようと、多くの人が訪れます。
<この日は少しガスがかかっていました> <お花畑が現れました>
今回はこの登山ルートの巡視と、高山植物の現状調査、そして高山植物保護のための看板設置へ行ってきました。お花畑の中を縫って歩くようになっている登山道ですが、近年、お花の写真を撮るために足を踏み入れたり、より眺めの良い場所を探して登山道を外れて歩いたりと、植物が踏み倒され、地面がむき出しになっている箇所も目立ちます。いつまでも美しいお花畑が保たれるためには、登山者の皆さんのご理解とご協力が必要です。こうして注意喚起の看板を立てることから、利用者の皆さんがルールを守り、植物を守り、自然が守られていくことに繋がるよう願います。
<植生保護の看板> <避難小屋とシモツケ>
登山道沿いに見られた植物たちをご紹介します。
<写真左上から右へ>
ヤマジノホトトギス、イワキンバイ
シモツケやクガイソウ、サンカヨウ(実)、ホソバノヤマハハコ
ダイモンジソウ、シュロソウ、イヨフウロ
皆さんも、このシーズンならではの美しい自然を楽しんでくださいね。