アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
【体験教室】 磯の生き物観察会
2015年06月26日6月の五色台体験教室は、生き物観察2本立てで開催しました。
6月14日に開催した体験教室は、いつもの山から海へフィールドを移して行われました。前日までの天気予報が「曇り一時雨」という何ともはっきりしない空模様でしたが、当日は少し晴れ間をみせ、雨の降らないほどよいお天気となりました。
今回の講師は、五色台にある香川県立自然科学館に在籍後、現在は高松市内中学校で理科の先生として活躍されている根津さん。自然科学館は、県内小中学校の集団宿泊学習の受入、プログラム提供を行っており、今回のフィールド・小原海岸でもよく磯の観察を行っていました。
最初にビジターセンター(以下VC)で移動中や磯での注意事項などをお話ししてから、バスに乗っていざ出発!バスの中では、満潮・干潮のしくみや海のアレコレを説明していると、あっという間に到着です!
小原海岸は、車道から少し足場の悪い林内の道を下って行くと・・・
小原海岸に到着!
海岸に到着した途端、大人も子どももソワソワして探したいオーラが分かりやすいほど見えます(笑)
そんな参加者に、早速、根津先生から何か手渡されました。
海岸を歩いていると、よく海藻が流れ着いているのを見ますよね。緑のアオサやトコロテンの原料である紅いテングサなどなど。その中でも特徴があるのが肉付きのいい(?)海藻、ミル。名前もカワイイし、見た目も分かりやすいので覚えやすいですね。子ども達も見つけては触っての繰り返し。先生によると、瀬戸内海の海藻はたいてい食べられるそうですよ。
海藻探しの後に先生が手にしたのは、小さな巻き貝・アラレタマキビ。岩場にくっついているこの貝をみんなで捕まえて、水槽に入れておきます。
しばらく待つと、これが一体どうなるの?
待っている間にみんなで生き物探し!
やはり子ども達はカニ捕りに夢中になりました。岩場をめくったり、タイドプールの中をじーっと見て見たことのない貝や不思議なモノに興味津々。見つける度に先生に質問攻め!
海岸奥で宿泊学習の中学生に引率していた科学館の先生も、子ども達のお手伝いをしてくれました。
みんなで捕まえたカニを見比べて、どんな特徴があって、どんな名前が付いたのか、オスとメスの調べ方など絵と本物を使って教えてもらいました。図鑑を見ても、模様や色が少しでも違うと別の種類なのかな~と思ったりと、意外と自分で同定するのって難しいですよね?根津先生は特徴を捉えて、小さな子にも分かりやすく教えてくれました。
さぁ、水に漬けていたアラレタマキビはどうなっているのでしょう?
見てみると・・・
水槽の上部へと移動していました!
水が苦手なアラレタマキビは、波しぶきがかかる程度の潮間帯より少し高い岩場に群がっている1㎝満たない巻き貝。なので、こうやって水槽に入れておくと、水から逃げようと上に登ってくるのです。ただ、生きているうえで水分は必要不可欠なので、人の目に見えない位の藻を食べて水分を摂取しているようです。
次に先生が取り出したのは、煮干し?
これをヨロイイソギンチャクに近づけると・・・
煮干しを取り返そうとしても、イソギンチャクは「私のものだ!」と言わんばかりに離しません。本州や瀬戸内に見られるヨロイイソギンチャクは、刺胞という毒を差し入れる細胞を持っていますが、人が触っても影響はない程度(魚などエサを取るための毒)なので、興味ある方は触って、吸われる感触を試してはいかがでしょう。ただし、肌の弱い方は軍手を着用した方がベターです。
いろんな実験を見ても、やはり子ども達はまだまだ生き物探しをしたいようで・・・
1つのタイドプールからは、こんなにもカニが!
他にも・・・
左上:イシダタミ 右上:謎のオレンジ色のそうめんは、アメフラシの卵塊
左下:バフンウニ 右下:クモヒトデ
親御さんも今まで見たことはあるけど、何だか分からなかったダイダイイソカイメンや「カメノテ食べたな~」など新たな発見&思い出しては子ども達と一緒に生き物探しをし、子どもは子どもで「もう帰るよー」の声にもなかなか腰をあげてくれない程、十分楽しんだ磯の観察会でした。
最近、海に行く人が減った、と耳にしますが、来てみるとやはり夢中になるもの。きっと、きっかけ1つあれば海に興味を持つ人、行きたいと思う人が増えるんじゃないかなと思います。
あと1ヶ月すれば、夏休み!ぜひ、海に出かけて、いろんなモノを見たり、アクティビティを楽しんだりして欲しいですね。海には自由研究のネタも転がっていますよ~。
※海には、ゴンズイ、ガンガゼ、ヒョウモンダコやクラゲのように毒を持つ危険な生き物もいますので、十分注意してください。
***********************8月の五色台体験教室***********************
『はちみつ絞りと蜜蝋キャンドルづくり』※残り定員わずか!
地元の養蜂家を招いて、遠心分離器を使ったはちみつ絞りにチャレンジ!
ミツバチが作った蜜蝋から自然にやさしい蜜蝋キャンドルを作ります。
日 時:8月23日(日)9:30~12:30
場 所:五色台ビジターセンター クラフトハウス
(ビジターセンター前駐車場から木道下りて徒歩2分)
参加費:蜂蜜絞り体験100円/人+キャンドル作り500円/本
(1組に1本はキャンドルを作ること)
持ち物:汚れてもいい服装、飲み物(施設に冷房はありません)
問合せ:五色台ビジターセンター http://goshikivc.web.fc2.com/
※7月26日開催の「昆虫観察会」はキャンセル待ち中です。