アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
☆国立公園大山の野鳥☆ (春~初夏シリーズ)
2015年06月22日ご訪問ありがとうございます!
春から初夏にかけて大山で撮影した野鳥を紹介します。
さて、大山は古くから「野鳥の宝庫」と言われています。
大山に野鳥が多い理由は、ブナ林を中心とした広大な広葉樹林を持っているからと言われています。
そしてその林は樹木の種類が豊富であり、年月の経たものが多く、林の中には低木がおい茂っていることと、阿弥陀川、地獄谷、一の沢、二の沢、三の沢、南光河原などその他の豊富な水飲み場があり、野鳥たちにとってこの上ない生活の場になっています。
そして、大山は傾斜がきついため、至る所に林縁帯が出来て、それが野鳥の生息と営巣に極めて都合のよい条件を作っていると言われています。
また、大山は日本海に面した独立峰のため、大陸から渡ってくる冬鳥、南方から渡ってくる夏鳥にとって、大山は長い旅の目標となり、または休憩していく、中継地「鳥の駅」とも考えられます。
大山は、あらゆる面で野鳥のパラダイスとしての条件がそろっています。
これは大山に、鳥越峠、文鳥水、駒鳥避難小屋など鳥のつく名前があることからもうなずけます。
それでは、「大山の野鳥」のはじまり~はじまり~♪♪
○4/18(土) キビタキ(下山キャンプ場)
正面から見たキビタキ。後ほど背面から見たキビタキを紹介します。
夏鳥で4月下旬から5月上旬にかけて東南アジアから育った土地に戻ってきます。
声も美しくブナ林の歌姫です!
ピーピツ、ピテキーピッピッイ、ピックルル、ポッピピピロと明るく大きな声で鳴きます。
(夏鳥 ヒタキ科)
○4/18(土) オオルリ(阿弥陀堂コース)
この鳥も遠い南の国から帰ってきます。
背面はルリ色で白い腹。
ウグイス、コマドリと共に日本の三名鳥と言われるほど姿も声も美しい。
鳴き声はピールリ、ポッピーリ、ピーリ、ルリルリピピピとゆるやかで美しい。
(夏鳥 ヒタキ科)
○4月25日 モズ(大山博労座)
鏡ヶ成で良く見られる鳥ですが、大山博労座ではあまり見かけない鳥です。
平地、低山地の林などで繁殖します。
頭部が赤褐色で背は灰色、尾、翼ともに黒褐色、翼には白斑があり(オスはこれを欠く)下面は淡赤褐色。
キィー、キィー、キィーキチキチキチなどで大きな声で鳴きます。
(スズメ目 モズ科)
○4/25(土)カワラヒワ(米子市)
美しい緑褐色をおびた鳥。
冬期は大群をなして飛びます。
飛行中にキリ、キリ、キリ・・・と鳴き、こずえに止まって
ジュウイとかビーン、ピッ、ピッ、ピッとさえずる。
(スズメ目 アトリ科)
○5/2(土)キセキレイ(大山博労座)
下面が黄色、背面が灰色で尾は黒い。
飛び方は深い波状で飛ぶのが特徴。
オスは夏鳥ではのど全体が黒色となり、全体が淡色な雌との区別がつきやすい。
鳴き声は、チッチッとかチチッチチと細く鋭く鳴く。
夏暑さがきびしくなると山深く登っていく。
(スズメ目 セキレイ科)
○5/2(土)キビタキ (大山増兵コース)
背面から見たキビタキ。
黒い翼に黄色と白い紋がよく目立ち、姿も美しく南方系の色彩の強い鳥です。
高木の木洞などを利用して営巣することが多いと言われています。
(夏鳥 ヒタキ科)
○5/3(日)シジュウカラ(大山増兵コース)
頭は光沢のある黒色、背は青灰色。
のどから腹まで黒色の太いネクタイが目立つのが特徴。
キツツキの古い巣や木洞をリフォームして巣をつくる。
鳴き声はチープ、チープ、ピーツクとかシパ、シパ、チュパ、チュパと早口。
(スズメ目 シジュウカラ科)
○5/5(火)ヒガラ(文殊越付近)
のどのあたりに三角形の蝶ネクタイ、翼の白い線が二本あり体が小さく尾がうんと短い。
初夏の森でまだ明けやらぬうちから鳴き出すのがヒガラ。
さえずりは澄んだ高い声で早口にチペ、チペとかツピンなど繰り返し鳴く。
(スズメ目 シジュウカラ科)
○5/10(日)カップルのシジュウカラ(大山健康の森)
駒鳥小屋からの鳥越峠を通過し、健康の森を歩いていました。
そこで二羽のシジュウカラに出会いました。
一羽は実のようなものをくわえて、もう一羽は、巣作りに必要な苔を繰り返し口にため込んでいました。
それは心暖まる共同作業に見えました。
(スズメ目 シジュウカラ科)
○5/25(月)ホオジロ(大山博労座)
明るい場所を好む鳥で、長めの尾と、赤っぽい体色、オスの頭部は、
黒と白の対比があざやかだが、メスではその黒い部分が暗褐色で不鮮明である。
白い眉斑とあごの線が目立つ。
春になるとこずえで力強くなわばりをつげるようにさえずる。
チョン、チン、ピーツツ、チョン、チン、ピーツツと鳴く。
(スズメ目 ホオジロ科)
○6/13(土)セグロセキレイ(大山博労座)
セグロセキレイが、なんと口に沢山の虫をくわえたままさえずっていました。
そして腹話術のできる野鳥に驚きを隠せませんでした。
ピチピチ、ヒィョ、ピチピチピーョ、チチージョイジョイと鳴く。
(スズメ目 セキレイ科)
独立峰大山は、遥か悠久の歴史を経ながら、黙して語らず毅然としています。標高1,729mの最高峰剣ヶ峰を中心に、弥山、天狗ケ峰、槍ケ峰、三鈷峰、矢筈ケ山、勝田ケ山、甲ケ山、烏ケ山等の峰が相並び、それぞれの山容を誇っています。
そして、この大自然にひかれて集まる人びとに、四季を通じて新しい息吹きを与え続けているようにも感じます。
大山の野鳥も、そんな大山にきっとひかれて、日々の営みを送っているのではと想像しています。
今後も清浄で美しい大山を皆様とともに守り続けていきたいと思います。
最後までご覧くださりありがとうございました!