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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ウミネコの島【島根の自然】

2015年05月20日
大山隠岐国立公園




5/20に島根半島・日御碕園地の巡視を行いました。
ここには国の天然記念物に指定されている「経島(ふみしま)ウミネコ繁殖地」があります。



ちょうど孵化前後だったようで、ヒナや卵を抱く親鳥の姿が観察できました。



天然記念物:経島

神主以外は立ち入れない神聖な島です。



植物のほとんど生えない島と思われますので、植物質の巣材はウミネコたちがいずこから運んできたのでしょうか。
よく見るとヒナの姿が見えてきますよ。ヒナが茶色い理由がわかりますね。



日御碕の柱状節理と日御碕灯台

           日御碕園地




経島の柱状の割れ目の地形は「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」と呼びます。
溶岩が冷えて固まる際に収縮して規則的な割れ目ができるそうです。
日御碕園地一帯の岸壁は柱状節理が発達し、歩き回ることができるジオサイトになっています。



島根半島ではこのようなジオサイトが数多く存在し、ジオパーク認定を目指した活動を展開中です。



ウミネコの親子

大人になるとどうしてこんなに目つきが悪くなってしまうのか...



黄色い足、黒灰色の背中、黄色いくちばしに黒と赤の斑
鳴き声は名前の由来の通り「ミャー」ですが、5000羽集まるとかなり騒々しいです。



尾に黒い帯があります。飛んでいるときはこれで他のカモメ類の成鳥と判別できます。



飛ぶ練習でしょうか、とてもかわいいですね。
7月になるとヒナは巣立っていきます。



ヒナや抱卵の様子を観察するには双眼鏡がないと難しいと思いますが、
成鳥同士のケンカやトンビを追い返すシーンなどがたびたび見られますし、鳴き声やコロニーの迫力を感じることができます。



出雲大社から車で20分でアクセスでき、周辺には日御碕神社や日御碕灯台などもありますので、今の時期の観光におすすめしたい場所です。