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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 春の野草ランチ

2015年03月31日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

今年度最後の体験教室は、春の恵みを味わう「五色台カフェ・春の野草ランチ」。

一昨年も野草試食会を開催して天ぷらやおひたしを作り、みんなで試食会をしましたが、今回は料理数がかなりバージョンアップ!そして、タイトルも女性心をくすぐるオシャレ感を出してみました。

さぁ、どんなランチができあがるのか楽しみです。

     <↑このラインナップだけでも十分な料理数です>
講師は、五色台体験教室で草木染めなどでも活躍の角田さんご夫婦と三豊市でパン屋を営んでいる片山さん。

野草はクラフトハウス周辺で採取しますが、まずはどんな野草があるのかなどお話を受けました。小学校で習うのか、子どもさんの方が野草の名前を知っているようでした。

その後、雨具の準備をして、採取へと出かけましょう。

前日までは良いお天気だったのですが、開催日はあいにくの雨。。。幸い参加者の皆さんの日頃の行いが良いおかげか採取の時は少し小降りになりました。広場や木道下の歩道では出始めた新芽や最初にお話のあった野草が見つけられました。

   <どれだ、どれだ~?>       <スイバの味は・・・?>

広場で出始めた新芽は参加者も「どこどこ?」と見つけにくかったようですが、遊歩道沿いにある花が付いている野草だと比較的分かりやすそうでした。

講師やスタッフに「これはホトケノザ?」など聞きながら採取していくと、徐々に見分けがつくようになってきました。野草は調理しても美味しいのですが、中にはそのままをかじって楽しむことができるのもあります。スイバもその一つ。大人も子どもも興味津々にかじって、独特な酸味を感じ、なつかしむ人もいれば初めて!と言う方など感想も様々。また、参加者の中にはタンポポを見つけて、「セイヨウタンポポと日本のタンポポは味が違うのか?」という疑問も出てきて、「セイヨウはコンソメ風味で、ダシがきいているのが日本のタンポポじゃない?(笑)」など冗談を交えながら楽しく採取。タンポポの花が出てきたら、ぜひ味比べをして欲しいですね~。

短時間でしたが、みんなでハコベ、ホトケノザ、カラスノエンドウ、タンポポの葉(花はまだでした)、ヨモギ、スイバ、オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウが採取できました。

戻ってみんなで仕分けをして、講師とスタッフが予め集めた野草を加えたものの一部がコチラ。

左上:ヒメオドリコソウ、タンポポ  右上:ノビル
左下:ツバキ            左下:ユキノシタ

左上:スギナ            右上:ヤブカンゾウ
左下:ヨメナ、ハコベ        右下:ビワの葉

では、いよいよ料理を始めていきましょう。

まずは、炊きたてごはんを講師お手製のハコベ塩を使ってみんなでおにぎり握り。アツアツおにぎりが食べたい人は熱いうちにどうぞ。ハコベ塩はみなさんから絶賛でした。そして、片山さんが予め用意してくれたピザ生地を伸ばしてピザづくり。トッピングは好きな野草を載せてみましょう。

調理場では着々とスタッフが他の料理下準備。

消し炭に火を付けて、うちわであおいで火をおこせたら、ピザを焼く準備はOK!

ピザを段ボールオーブンに入れたら、あとは他の料理を同時進行でどんどんと作っていきます。

天ぷらやおひたし、炒め物に和え物などどんどんできあがっていきます。子どもたちも下ごしらえに大活躍。

作っている最中は、お母さんたちも「これはどうやって作るの?」「コツは?」「分量は?」など講師たちにいろいろ質問。料理はある程度できあがったら、熱いうちに召し上がりましょう。

          <ビュッフェ式にいただきましょう>

左上:焼き揚げ+ノリ+ふきみそカナッペ  右上:ヤブカンゾウのベーコン巻き(焼く前)
左中:海苔巻き(ハコベかレンゲだったと) 右中:野草いろいろピザ

左下:レンゲの白和え・セリの炒め物    左下:天ぷら10種

他にも、ヤブカンゾウと卵のオリーブオイル炒め、ノビルのふきみそ和え、レンゲの胡麻和えと酢の物、ミツバの味噌汁などこの量を1時間程度で仕上げた参加者の手際の良さに脱帽です!

        <いただきま~す! おいし~い!>
みなさん、パクパクと箸が止まりません(笑)

おかわりも続出して、あっという間にお皿はからっぽ、そしてお腹は大満足!

雨もあがり、子ども達は広場で走り回り鬼ごっこ。その間にスタッフもランチを頂きました。

そして、お腹がこなれてきたところでデザートタイム。食べる前に子ども達に作ってもらったビワ茶。以前作ったヒサカキ茶は葉を炙って煮出すのですが、ビワ茶は生葉のままちぎってお湯に入れて煮出します。少し苦みと酸味のあるお茶は大人の味。

     <ビワ茶づくり>      <デザートのヨーグルトの上には?>
ヨーグルトの上に載ったジャムはなんと!イタドリのジャム(真ん中の緑)とスイバのジャム(周りの赤と薄緑)なんです。片山さんにレシピを聞いたところ、茎の部分を砂糖と一緒に煮詰めればできる簡単ジャムなんだそうです。スイバの色は時期によって茎が赤や緑になっているので、これを分けて煮詰めるときれいな色合いのジャムができるのだそう。デザートも皆さんおかわり。お母さん達はレシピを聞いて「美味しいし、作ってみよう」と言って下さりました。こんな言葉を聞くと嬉しいですね。

講師の角田さんと片山さんは「野草だから不味いと思われたくない。ハムなど食べやすい素材を加えれば彩りもいいし、美味しい。アレンジの方法一つでいろんなバリエーションが広がるし、何より美味しいと感じてもらえれば、次に山野に出た時は"どれが食べられるだろう"と目線が変わってくるはず」

野草は美味しく食べられること以外に、野菜や魚に旬があるように山菜や野草にも旬があり、またそれによって季節を感じられることが分かりました。ただ、野草には有毒成分を含むものもありますので、何か分からない野草には手を出さない方が無難です。また、山に入る場合は土地所有者の許可や、採取してよい場所かどうか確認して採って下さい。

五感で楽しむ春はこれからです。ぜひ、外に出ていろんな野草に目を向けて下さいね。

====================4月の五色台体験教室======================

                   『音で楽しむ森歩き』

森を歩いて生き物や植物を観察していると、池から・・・?森の中では・・・?何だか音楽が聞こえてくる!

愉快な楽団・こえびカンダダンによる演奏と最後はお茶をしながら青空ライブを楽しみましょう。

日 時:2015年4月29日(水・祝)9:00~12:00 ※8:50までに受付をお済ませください

場 所:五色台クラフトハウス(五色台ビジターセンター駐車場から木道下りて徒歩2分)

参加費:300円/人〔保険代込み)

持ち物:歩きやすい服装(スニーカーや帽子など)、飲み物

問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479

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