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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 竹の食器でうどんを食べよう

2015年01月29日
瀬戸内海国立公園 大林めぐみ

「温暖な気候」とよくうたわれる瀬戸内ですが、転勤で降雪地域から来られた方には「冬、暖かくない!寒い!」とよく言われます。

その理由は瀬戸内を囲む地形にあります。日本海側からの湿った空気は中国山地に、太平洋側からの湿った空気は四国山地にぶつかり、そこで冷やされた空気は雲になり、そして雨や雪となります。日本海、太平洋側で湿気を取られ、乾燥した空気はそのまま瀬戸内に入り、夏は少雨、乾燥した冬となります。

では、なぜ乾燥すると寒く感じるのでしょう?

人の体温調整は体からの気化熱の発生によって行われています。湿度が低いと体から水分が蒸発しやすくなり、その分気化熱が発生するため、体から熱が奪われていきます。多湿な降雪地域よりも同じ気温でも瀬戸内が寒く感じるのはこのためです。夏も同じ気温なのに湿度の高低によって感じる暑さが変わってきますよね。

そんな意外と寒い香川県で冬に食べられる郷土料理といえば、温かいしっぽくうどんや打ち込みうどん。

今月の体験教室は、みんなでうどんを作り、そして食べるための器とお箸も手作りしちゃおう!です。


まずは、竹の食器を作る前にスタッフから道具の使い方や切り出すコツなどをレクチャー。

正しい道具の使い方は、ケガ防止や上手く切り出すことができるだけでなく、道具の長持ちにもなります。

ノコギリはまっすぐに、引く時に力を入れて、を合い言葉にみんな作業開始!

クラフトハウスは暖房設備がないため、初めはみんな厚着だったのが竹を切り出す内に暑くなり、アウター→セーターとどんどん脱いで最終的に長袖シャツ1枚になるほど。

子ども達も親御さんやスタッフに手ほどきを受けながら、自分たちの食器をつくりました。

だんだん道具に慣れてくると、無駄な力も入らず、楽に早く切り出せるようになりました。

切り出した竹の器は、口をつけやすいように1ヶ所だけナタを使って厚さを半分程度にします。ナタは重く、切れ味が抜群のため、道具に触るのは大人だけ。ですが、子どもにはナタを叩くという重大なミッションが与えられました。

親御さんが「OK」の合図を出したら、丸太でナタを叩いて竹を割っていきます。
ナタが竹に入ったら、ナタの両側を交互に、躊躇なく叩いていくとスパーンと割れますよ。

一方、器の切り出し待ちのグループはお箸づくり。

予め箸サイズに切り出した竹から選んでもらい、小刀を使って持ってちょうどよい太さまで削ります。

小刀も力の加減が難しいので、親御さんに支えてもらいながら、焦らず削り出します。仲良し家族同士で参加したグループは、器斑、お箸斑と分けて作成していました。チームワークで効率的に進めていますね。
器とお箸が完成したら、キレイに水洗いして干しておきます。

そして、お待ちかねうどんづくりです。

うどんは最初から作るとかなり時間がかかるので(我が家はうどん玉を前日の晩につくってました)

麓のうどん屋さんで購入したうどん玉を使います。

まずは、踏んでうどん玉を延ばします。

うどん玉の真ん中にかかとを置いて、かかとを中心に自分が回りながら延ばしていくのがコツです。生地は真ん中が厚くなりがちなので、均等になるようにしっかり踏んで延ばしておくと麺棒での作業が楽になります。

ビニール袋からうどん玉を取り出して、麺棒を転がしてある程度延ばします。その後、麺棒に生地を巻き付けて、生地の真ん中から端へ延ばすようにしながら麺棒を押し転がします。数回延ばして生地を広げたら、90°回して短手方向を延ばすという工程を繰り返します。

厚さが3㎜程度になったら生地を3つにおりたたんで切っていきます。

包丁はまっすぐに下ろして、少し倒すときれいに切れます。
太麺、細麺はそれぞれお好みですが、だいたい3~5㎜が平均的なうどんの太さになりますね。

中には「太い麺が食べたい!」と言って、「え、ワンタン??」と思うくらい太麺を作っている子どももいました。太く残ったうどんの端っこって美味しいんですよね~。子どもの食べてみたい気持ちも分かるのでそっとしていましたが、後でお母さんに「もっと細くして!」って言われてました(笑)

さぁさぁ、切れたら茹でていきますよ~。

たっぷりの湯の中にバラバラにしながら入れて、うどんがくっつかないように菜箸でかき回しながら約15分。
最初は沈んでいた麺も湯がグラグラしてくると、徐々に浮いてきました。麺ももっちり、ツヤが出てきたら、太め麺を選んで食べて生っぽくなければOK!

まずは釜揚げでいただこうと、水でしめる前に器に少し入れて・・・「美味しー!」

釜揚げはちょうどいい塩気が残るので、生醤油を少し垂らすだけでも十分。鍋からあげたうどんは一旦水でしめて玉にします。うどん1玉を取って湯に通して温めて、そこへ予め作っておいたしっぽく出汁をかけたら・・・

完成です!!お昼は陽射しも暖かいので外に出て食べました。

今回のしっぽくの具は9種も入っており、これだけで十分お腹いっぱい。
森林整備のために切った竹を使って食器をつくり、そして郷土料理に親しむことができた体験教室。

1からうどんを作ってみたいという方もぜひお家に帰ってチャレンジしてみてください。コシを出すポイントは、時期に合った塩水の塩加減とツルッとした生地になるまでの踏む→たたむ→踏むの工程の繰り返し。(あまり捏ねすぎると固くなってしまうので要注意です)

またもう一つの冬の郷土料理、打ち込みうどんも寒い日にはもってこいですよ。

次月、2月の体験教室はすでに満員御礼となっておりますので、3月のおしらせ↓↓

*************************3月の五色台体験教室*************************

             五色台カフェ『春の野草ランチ』

春先に出てくる柔らかい新芽や若草など食べられる野草を採取して、ピザなど作ります。

日 時;2015年3月29日(日)9:00~13:30

場 所;五色台クラフトハウス(ビジターセンター前駐車場から木道下りて徒歩約2分)

参加費;500円/人(保険代込み)

持ち物;活動しやすく調整できる服装、飲み物、エプロン

問合せ;五色台ビジターセンター(毎週月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日))

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