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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

【体験教室】 サザンカの花びら染め

2015年01月15日
高松 大林めぐみ

10月の体験教室が台風直撃のため、やむなく中止となり、今回その代替プログラムとして室内で行える「花びら染め」を開催することになりました。

11月に開催した草木染めは煮出して染液を作ったりと工程に5時間ほど要しますが、今回の花びら染めは約2時間程度とお気軽にできる染め物教室。講師は五色台ではおなじみ、あそ美工房より角田眞理子さん。

染める布は角田さんが用意してくれた中から仕上がり具合や使い方など聞きながら、好きなサイズ、素材を選びます。

花びらは予めスタッフが用意していますが、やはり自分たちでも少しは採集しましょう、ということでクラフトハウス敷地内にある終わりかけの花びらを摘みました。ここではよく似ているツバキとサザンカの違いを繁里インタープリターから教わりました。ヒントは落ちた花を見ると・・・

ツバキは花丸ごと落ち、サザンカは花びらがバラバラになって落ちていることから、ツバキは花びらが全て繋がっている・サザンカは花びらが1枚1枚分かれているのです。また開花時期もサザンカは12月頃~1月、ツバキは晩冬~初春まで咲くものが多いです。

室内に戻ったら、きれいに染め上がるようサザンカを花びらだけに仕分けします。

1人で作業すると気が遠くなるのですが、参加者みんなで行うと会話も弾み楽しくできます。

染色は均一に染まるのもいいですが、オリジナルの模様があると手作り感があり、より愛着も沸くもの。

講師から身近にある道具を使った模様付けの仕方を教えてもらいました。

ビー玉にビーズ、洗濯はさみに割り箸、輪ゴム、タコ糸など。

みんなで「どんなふうにしよう?」「もうちょっとここに模様付けたら?」など講師や参加者同士でアドバイスしながら、みんなで楽しく(時に爆笑しながら)作業しているとあっという間。

さぁ、どんな模様ができあがるのでしょうか。
模様付けができたら、布に染液が入りやすいよう揉みながら十分に水に浸します。(ポイント!)

その間に染液を作ります。
サザンカの花びらを目の細かいネットに入れて口をしばります。

50℃くらいの湯が右上写真のようにヒタヒタになるまで入れ、上から酢を加えます。割合は湯:酢が1~2:1程度。計量せずざっくりでOKだそうです。酢は穀物酢、米酢どちらでも可能。草木染めの場合はみょうばんが媒染(色が繊維に定着する)役割をしますが、花びら染めではこの酢が媒染の役割をします。
そして、花びらをよーく揉み込んでいくのですが・・・

違いが分かりますか?
赤丸部分にご注目。そう、泡立ちが全然違うのです!

この泡が出るほど染める(布に色が浸透する)力があり、出てないとまだまだ揉み足りない証拠。さすがベテラン主婦チームは泡出しが早い!その様子を見ながら若手チームも見よう見まねでやっていくと、徐々に泡が出てきました。染色に差が出ないよう2つを合わせ、一旦ザルで濾します。

いよいよ、染色です。水に浸しておいた自分の布を軽く絞って待機。

というのも、シルク素材よりもガーゼ素材の方が色を吸う力が圧倒的に強く、また同じ素材でも先に染液に付けた布に色を取られてしまい、数秒でも後から入れた布には色が入りにくくなってしまうのです。他で染色体験をしたことのある参加者は、「だから染まらなかったのか~」とその時上手く染まらなかった理由に納得。

そして、今回も講師のサプライズとして、用意したフリージア&黄花コスモスの花びらからも染色をしました。(写真右)サザンカは布重量に対して3~4倍もの花びら重量が必要になりますが、フリージアと黄花コスモスは30枚程度あれば、スカーフ3~4枚は染められるくらい色がよく出ます。

染液に浸け、布を突かず万遍なく染まるよう箸でまわしながら、(できれば40℃に保ったまま)約20分。

染液から引き上げ、ドキドキ、ワクワクしながら模様付けのビーズなどを外していきます。

これを水洗い(お湯でもいいそう)して絞り、広げると・・・

光の加減で少し分かりづらいかもしれませんが、同じサザンカの染液でもシルク素材は可愛らしいピンクに、ガーゼ素材だと落ち着いたピンクベージュに染め上がります。フリージアも同じくシルク素材は明るい黄色に、ガーゼ素材だとシルク素材より濃黄色に染まります。
花びらを集めるのに少し苦労しますが、採集後はすぐに仕分けして冷凍庫に入れれば保存も可能。できれば保存袋は野菜用冷凍ジップロック、花びらはギュッと詰めてもいいそうです。

講師からは「気軽にできて、自然素材の優しい色合いでできる染色を家でも試して欲しい。また色落ちしても繰り返し染め直せるのが草木・花びら染めの良いところ」と言われていました。ただ、ヒガンバナやヨウシュヤマゴボウなど一部でも毒をもつ植物は避けた方がよい、とのこと。また所有地以外での採集には、必ず土地所有者や木々を管理している人に了承を得て下さい。花びらはできれば見頃を終える頃がいいですね。

少し草木を見る目が変わった染色体験。ぜひ、みなさんもお友達やご家族と一緒にお試し下さい。

******************1・2月の体験教室******************

1月25日(日)開催「竹の食器でうどんを食べよう」

2月15日(日)開催「竹のバウムクーヘン&焼きリンゴづくり」

以上2つのプログラムは、只今キャンセル待ちとなっております。下記へお問い合わせ下さい。

お問合せ:五色台ビジターセンター TEL:0877-47-2479(月曜休館)

http://goshikivc.web.fc2.com/

==========================余談==============================
成田空港から出ている2015年版カレンダーは「心惹かれる導きの極彩(いろどり)」というコンセプトで世界各地の絶景写真が掲載されています。その12ヶ月の中でなんと!4月は香川県・紫雲出山からの桜霞、9月は広島県・宮島の写真が使われています!これを知ったのは年明けの新聞記事だったため、残念ながらすでに販売は終了・・・。見かけた方は是非チェックしてみてください★