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アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]
秋の自然体験教室 親子でシカ調査!!
2014年10月08日
広島
嚴島神社など歴史的な建造物や町並みが有名な宮島ですが、
国立公園や天然記念物に指定されるなど宮島には自然溢れる森があります。
今回は森でアニマルトラッキング(動物の痕跡探し)をし、
シカ本来の生活を垣間見よう!ということで
秋の自然体験教室「森を探検しよう!足跡標本を作ろう!親子でシカ調査隊」を開催しました。
台風18号が西日本に接近し開催できるか心配でしたが、
当日は雨もなく風もなく無事開催することができました。
開会式を行った桟橋では、
シカやサルの生態に詳しい菊間先生から早速「これは何の跡?」と質問。
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どこかでこすっているということは分かるけど…
足?鼻?頭?出だしから子どもたちの頭を悩ませましたが答えは角!
成長している角は皮に覆われておるため、
皮を剥ぐときは樹にこすりつけます。
普段全く気づかない小さな痕跡からもシカの生態が読み取れます。
続いて歩いていくとトラッキング定番の“フン”がありました。
シカのフンであることには間違いないですが、
何やら様子が違うフンを発見。
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[左:健康なフン 右:不健康なフン]
消化がうまくできなかったフンは柔らかかったり固まったりしますので
シカの健康チェックもできます。
そして、いよいよ宮島の森へ!
ここはシカが通るけもの道です。
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しばらく登るとシカを発見!
どこどこ?と目の前にいるのに気づきません。
敵に見つからない保護色なので目立ちませんが、
山にいる姿はやはり自然です。
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[山林のシカは人が来ると逃げていきました]
ほかには繁殖期に体に臭いをつけるため、
自分のおしっこをして体にこすりつけるためのぬた場や寝床を観察したり、
シカに食べられない宮島の植物や頭蓋骨を見ながらエサの食べ方などを学びました。
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[シカに食べられ盆栽型のアカマツ]
トラッキングを終えたら次は足跡標本作りです。
足跡があるか心配でしたが、運良く見つけることができました。
石膏を水に溶かして足跡に流し込み、30分ほど待ちます。
初めての型どりでしたが、
皆さんきれいな足跡標本ができました!
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[固まった石膏を取り出す]
最後は菊間先生からシカのお腹から出てきたビニール袋の塊を見せてもらいました。
どうしてシカはビニールを食べてしまったんでしょうか??
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[死んだシカの胃袋にあったビニールの塊]
人からエサをもらうことに慣れたため、
人が持っているお菓子もビニールも全部食べてしまうようになってしまったんですね。
その結果、胃袋に消化できないビニールが溜まり栄養失調で死ぬシカもいました。
人と野生生物が共存していくために私たちにできることはなにか?
かわいいからといってエサをあげてしまうと、
自力でエサを探すことができなくなったり、
ビニールなどを食べたりと不幸な結果を招きかねません。
「ゴミを捨てず、エサを与えない。」
動物たちと距離を持つことが動物の保護につながるんですね。
「シカ=かわいい、触りたい」から
シカを見る目、接し方が少し変わったのではないでしょうか。
これからも身近な自然に出かけ、色々な発見をしてもらえればと思います。
国立公園や天然記念物に指定されるなど宮島には自然溢れる森があります。
今回は森でアニマルトラッキング(動物の痕跡探し)をし、
シカ本来の生活を垣間見よう!ということで
秋の自然体験教室「森を探検しよう!足跡標本を作ろう!親子でシカ調査隊」を開催しました。
台風18号が西日本に接近し開催できるか心配でしたが、
当日は雨もなく風もなく無事開催することができました。
開会式を行った桟橋では、
シカやサルの生態に詳しい菊間先生から早速「これは何の跡?」と質問。
どこかでこすっているということは分かるけど…
足?鼻?頭?出だしから子どもたちの頭を悩ませましたが答えは角!
成長している角は皮に覆われておるため、
皮を剥ぐときは樹にこすりつけます。
普段全く気づかない小さな痕跡からもシカの生態が読み取れます。
続いて歩いていくとトラッキング定番の“フン”がありました。
シカのフンであることには間違いないですが、
何やら様子が違うフンを発見。
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[左:健康なフン 右:不健康なフン]
消化がうまくできなかったフンは柔らかかったり固まったりしますので
シカの健康チェックもできます。
そして、いよいよ宮島の森へ!
ここはシカが通るけもの道です。
しばらく登るとシカを発見!
どこどこ?と目の前にいるのに気づきません。
敵に見つからない保護色なので目立ちませんが、
山にいる姿はやはり自然です。
[山林のシカは人が来ると逃げていきました]
ほかには繁殖期に体に臭いをつけるため、
自分のおしっこをして体にこすりつけるためのぬた場や寝床を観察したり、
シカに食べられない宮島の植物や頭蓋骨を見ながらエサの食べ方などを学びました。
[シカに食べられ盆栽型のアカマツ]
トラッキングを終えたら次は足跡標本作りです。
足跡があるか心配でしたが、運良く見つけることができました。
石膏を水に溶かして足跡に流し込み、30分ほど待ちます。
初めての型どりでしたが、
皆さんきれいな足跡標本ができました!
[固まった石膏を取り出す]
最後は菊間先生からシカのお腹から出てきたビニール袋の塊を見せてもらいました。
どうしてシカはビニールを食べてしまったんでしょうか??
[死んだシカの胃袋にあったビニールの塊]
人からエサをもらうことに慣れたため、
人が持っているお菓子もビニールも全部食べてしまうようになってしまったんですね。
その結果、胃袋に消化できないビニールが溜まり栄養失調で死ぬシカもいました。
人と野生生物が共存していくために私たちにできることはなにか?
かわいいからといってエサをあげてしまうと、
自力でエサを探すことができなくなったり、
ビニールなどを食べたりと不幸な結果を招きかねません。
「ゴミを捨てず、エサを与えない。」
動物たちと距離を持つことが動物の保護につながるんですね。
「シカ=かわいい、触りたい」から
シカを見る目、接し方が少し変わったのではないでしょうか。
これからも身近な自然に出かけ、色々な発見をしてもらえればと思います。