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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

H26年度 三崎小5年環境学習「川の生きもの調べ②」

2014年09月30日
土佐清水
三崎小環境学習「川の生きもの調べ」の2日目。
前日に仕掛けたペットボトルのトラップと小型定置網を回収して、かかっていた生き物を観察・記録します。

まずは、ペットボトルから回収。




ヒラテテナガエビ、ミナミテナガエビ、ヨシノボリなどが入っていました!
ほとんどの子がテナガエビの仲間は入っていたようです。

【テナガエビ】

【ヨシノボリ類】



自分のペットボトルの獲物を記録できたら、
次は小型定置網の回収です。
自分が多く捕れると予想した網を回収し、とれた生き物を調べます。


【1班:堰堤の下(下流)】

【2班:岩盤質の深い所(中流)】

【3班:草のかげ(上流)】

どの班の網にも大量の生き物が!!
みんな驚きと共に興味津々です!!





しかし、大変なのはここから。
班ごとに、この生き物たちを種類毎に分け、数を記録します。
最初は講師の山下さんに教えてもらいながらでしたが、
生き物の特徴を覚えてしまえば、後はスイスイと分けることができたようです。






3つの網には、合計9種307個体の魚類やエビ、カニが入っていました!


観察・記録を終えた後は自由時間。
タモ網や箱メガネを使って再び生き物を探したり、
泳いだり、水中カメラで写真を撮ってみたり、最後まで川を満喫しました。





今回は、台風等で河川環境の変化がありましたが、
上流(3班)は魚類の個体数が多く、
下流(1班)はエビ・カニ類の個体数が多いなど
同じ川でも場所によって捕れる生き物の種類や数に違いがあることも学べました。


また、経年変化として、流れが緩やかな場所を好むカワムツやミナミテナガエビが減り、一方で、吸盤のような腹ビレで石などにくっつくヨシノボリ類が増えていました。
このことから、この場所が深く流れが緩やかで、小石や砂の多い「淵環境」から、
浅くて流れが速く、礫や石が多い「瀬環境」へと変化していることが生き物からわかりました。
見た目も、以前は岩から飛び込めるくらい深かった場所もありましたが、今は礫が堆積して浅くなっています。

毎年、同じ場所で調査しているからこそわかる発見ですね!
生き物から環境の変化がわかる興味深い授業となりました。
そして、大人も子どもも本気かつ楽しんでいた姿がとても印象的でした。