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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

JPR事業~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~(1日目)

2014年08月14日
広島
環境省では、子どもたちにレンジャー(自然保護官)の仕事を体験し、
自然保護への興味や理解を深めてもらおうと
子どもパークレンジャー事業(以下、JPR)を実施しています。
広島事務所では~ぼくのわたしの「宮島子ども自然遺産さがし」~をテーマに
8月26~27日に宮島で実施しました。

宮島口に集合し、
2日間子どもパークレンジャーとして活動してもらうため任命書を渡します。

[任命式]
船で宮島に渡った後は活動内容を確認し、
2日間でやりたいことや目標を決め、
その後、国立公園やレンジャーのお仕事、
干潟の生きものについて事前学習を行いました。

午後からはいよいよJPRとして活動開始です!
活動場所は大鳥居周辺に広がる干潟です。



近づくとすぐに穴に隠れてしまう干潟の生きものを見るには
ちょっとした工夫や観察する視点、小道具が必要です。

一見何もいない場所も姿勢を低くすると
ウミニナの暑さ対策が見られたり、



じーっと座って待つと
チゴガニのダンス(ウェービング)が見られたり、


穴に塩を入れると
高い塩分濃度に驚いてマテガイが顔を出したり。


今まで知らない観察方法で
たくさんの生きものを発見しました。

包ヶ浦自然公園に移動し、次は明日の準備です。
ある虫を捕まえるためにトラップを作ります。


虫をおびきよせるエサはというと…
なんと動物のフンです!

[スイギュウのフンを缶に入れます]
みんな「くさい~!」と言いながらも
クマやスイギュウ、ライオンのフンをトラップに入れました。
※フンの提供は安佐動物公園にご協力いただきました!ありがとうございました!

夕食や入浴をすませ、就寝…
ではなく、JPRの活動はまだまだ続きます。
昼には見られない夜の海に光る生物調査をしに海辺に出発。
砂浜の水をばしゃばしゃと刺激すると、歓声があがりました。
青白い夜光虫の発光です。
夜光虫が生息する明かりのないきれいな砂浜は本土側には殆どありません。
広島市内の対岸にある宮島には貴重な自然が残っていることがわかりました。

そして、鯛のアラを入れたトラップを仕掛けました。
集まったのは肉食のウミホタルです。


顕微鏡で見たウミホタルはこんな感じ。

[体長3~5mmで肉眼でも見られます]

ケビンに戻ってウミホタルの発光実験を行いました。
電流を流すと驚いて発光物質を出し、水槽が青白くなりました。

[ウミホタルが発光物質を出した水槽]
※夜光虫とウミホタルは別の生きものです。

瀬戸内海のいろいろな生きものを発見した1日目が終わりました。