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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

竜串サンゴ モニタリング

2014年07月31日
土佐清水
先週土曜日、竜串にてサンゴのモニタリング勉強会とサンゴの調査法の1つ「スポットチェック」を行いました。

午前中の勉強会では、地域住民の方と大月パークボランティア(以下PV)を対象に、当事務所の秋山レンジャーより「こんなになったよ!竜串のサンゴ~自然再生の取組といま~」と題し、国立公園や竜串自然再生事業の取組について紹介しました。



続いて、黒潮生物研究所の目崎さんより「やってみよう!竜串サンゴのモニタリング」と言うことで、サンゴの生態や、竜串でよく見られるサンゴの種類、そしてサンゴのモニタリング方法のレクチャーが行われました。



今回行う「スポットチェック法」は、調査者が決められた範囲(約50m四方)を15分間遊泳し、目視でサンゴの状態などを観察・記録する調査方法です。
ここで特に大事な項目はサンゴの被度(サンゴが海底面を覆っている割合)と生育型(どんなサンゴが多く占めているのかを6つの型に分類したもの)。
さっそく図や写真を用いてサンゴの被度を当てるクイズで練習!


皆さん、初めてなのにかなり高い正答率でした!素晴らしい!
私もがんばらねばなりません・・・(7問中3問正解・・・)。


サンゴの観察眼を研ぎ澄ましたところで、
大月PVの皆さんに実際にスポットチェックを体験してもらいました。



1カ所目はシコロサンゴの群生地である「見残し」。


初めは、調査範囲50mがどれくらいの広さなのか感覚をつかむため目印を頼りに50m泳いでみました。これがなかなか長く感じます。
その後、2人1組で調査開始です。
先ほど練習した図や写真とは違い、広範囲を泳いで全体の被度を出すのはなかなか難しい!
しかし、サンゴを食べる巻貝による食害や、ヤガラやイカの卵(ふ化後)など様々なものを観察することができました。

【サンゴ食巻貝(赤丸の所)による食害】

【ふ化後のイカの卵】

2カ所目は、岩礁に卓状のミドリイシ類をはじめとする様々なサンゴが見られる「竜串西」。

【卓状ミドリイシ】
1カ所目よりもスムーズに行われた様子。
水面で記録ボードへ記入するのは大変なようで、皆さんボートに戻ってから記憶の新しいうちに記入していました。



当初は4カ所で実施する予定でしたが、
この日はあまり海が穏やかではなかったため2カ所で終了。


お昼を食べてから結果集計です。
調査中に撮った写真も見ながら、
目崎さんに新しく加入した小さなサンゴやサンゴの病気についても解説していただきました。

【まだ小さなサンゴ】

【病気と思われるサンゴ】

そして、海底の砂を用いてSPSS(底質中懸濁物質含有量)の測定も体験してもらいました。



今回の勉強会に来て下さった方が
竜串のサンゴやモニタリングについて少しでも知り、もっと知りたい、やってみたいと思っていただけたら嬉しいと思います。
今回参加できなかった方も、また勉強会を開きたいと考えていますのでぜひお越し下さい!
そして、大月PVの皆さんにとっても、今後はスポットチェック法も取り入れた活動で、より一層活躍できる場面が増えることと思います。

自分たちにとって身近な自然、
お出かけついでにちょこっと観察してみるのもいいかもしれません。
観察し続けていると何か変化が見えるかも・・・!?