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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ハンゲショウ【島根の自然】

2014年07月25日
松江
出雲市大社町の鷺浦集落から日御碕に至る歩道、
ほとんど人の入らない獣道の先にハンゲショウ(半夏生)が群生する場所があります。




名前の由来は暦にあります。

薬草である半夏(カラスビシャク)が生える時期を“半夏生”(夏至から11日後の雑節)といいましたが、この頃に白化する植物ということでハンゲショウになったそうです。


          【シカの足跡】


別名「片白草」と呼ばれ、“半化粧”とかかっていて奥深い名前ですね。
実際、半夏生(今年は7月2日)の日には白化が半分ほど進んだ状態になるから良くできてますね。

写真は7/8に撮ったもので、白化がもう少し進んでいるものも。

白くなるのは花序の根元の葉です。
6月の終わりに花序の出現とともに葉緑体の生産を停止して白化を開始し、
9月頃にはまた緑色に戻っています。




葉緑体を作らないことで光合成が不利になるのですが、なぜ白くなるのでしょうか?
じつは葉を白くすることによって花粉を運ぶ昆虫にアピールしているのだ、
との見解があります。





遠目に見ると、たしかに花序よりも白化した葉の方がよく目立ちます。
ハンゲショウは湿った場所に生える野草です。沢沿いにびっしり生えていました。

来年はぜひ半夏生の日に訪れてみたいと思います。