中国四国地方のアイコン

中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

第4回中海海開き「きれいになった中海で泳がいや」

2014年07月22日
米子
鳥取県と島根県の県境にある汽水湖・中海。
海水性と淡水性の生き物が共存する、特異な環境を持った湖です。
自然豊かな中海は水鳥の飛来地としても知られ、
ラムサール条約にも登録されています。
しかし近年、中海の水環境は人間の生活環境の変化によって、
急速に悪化したそうです。
以前には、多くの人が湖水浴を楽しんでいた中海ですが、
湖の富栄養化が進行することで様々な影響が出ています。

そんな中海を以前の「泳げる中海」にしようという思いから、
中海周辺では多くの環境活動がなされています。

そのような活動をされている団体のひとつである
NPO法人未来守りネットワーク主催の「第4回中海海開き」が
7月19日に開催されました。

イベントが開催された湖岸は、
中海を管理している国土交通省が
水環境整備事業の一環として整備された浅場造成箇所です。
集まった子供たちは、
始めは水温を確かめながら遠慮がちに海に入ってしましたが、
最後には気持ちよさそうに泳いだり、
中海の生き物探しに夢中でした。


始めは遠慮がちだった子どもたちですが、
すぐに慣れ、じゃぶじゃぶと元気に泳いでいました。

NPO法人未来守りネットワークの奥森さんから、
中海で見られる小さな生きものや海藻などのお話を聞きました。

国土交通省中海出張所の柏原さんからは、
会場である大崎湖岸での水環境を良くするための取り組みについて
お話を聞きました。

後半には、中海の生きもの探しを行いました。

最後に見つけた生きものをみんなで観察しました。
ゴズの稚魚やエビ類、アサリの稚貝などの貝類と
さまざまな生きものを見つけることができ、
みんな興味津々で観察していました。

周辺でのさまざまな環境活動の努力により、
中海で海開きイベントが開催できるようになりました。
それでも、以前の中海を取り戻す途中の段階です。
イベントの前には主催の未来守りネットワークの方や
国土交通省の方を始め、関係者の方によって湖岸清掃が行われました。
中海という閉鎖的な環境には、
近隣からのものと思われる漂流ゴミが多く見受けられます。
これからもっと多くの子供たちが楽しく泳いだり、
多様な生き物たちがくらすことのできる中海となるよう
できることを考えたり、皆さんで注目していきたいと思いました。