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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

ユウスゲ【島根の自然】

2014年07月18日
松江
三瓶山の西の原に「ユウスゲ保護区」と書かれた場所があります。
ここでは夕刻から朝までしか咲かないユウスゲの群集を見ることができます。







ユウスゲは本州と九州に広くに分布しますが、他の草原性の植物と同じく生息数は急速に減少しています。
ここ三瓶でも「大田の自然を守る会」さんの活動によって西の原では個体数を取り戻していますが、かつての島根の山地でいたるところで見られた状態からすれば壊滅的な現状です。
島根県では絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。




西の原駐車場の正面ほど近くに見ることができます。夕方4時頃ではまだ開いていない花もありましたが、十分美しい花々を楽しめました。
カメラを持って夕陽の時間帯に訪れれば、花もさらに開いて絶好の被写体になるのではないでしょうか。




暗がりな夕刻でも淡い黄色は美しく映えます
夜行性昆虫を誘っているのでしょうか?
おおよそ三瓶山に背を向けて西日の方角を向いて咲いていました


三瓶山ではこの時期山頂で多くの花が見られますが、
登山口付近であっても草原性の様々な花が楽しめます。



ネジバナもたくさん咲いていました。
マルハナバチが螺旋状についた花を追ってくるくると移動していました。


            ホタルブクロ


           ミドリヒョウモン


            ウツボグサ


ユウスゲはおそらく7月中はきれいな花が楽しめるかと思われます。

これら草地の生物を守るためには、ヒトによる積極的な利用と保全活動を通じ草原環境を維持していかねばなりません。

みなさんの国立公園の利用をお待ちしております。