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中国四国地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [中国四国地区]

室内池のいきもの【島根の自然】

2014年06月05日
松江
今回は国立公園の自然の魅力をお伝えするべく、
三瓶の峰々に囲まれた、室内池(むろのうちいけ)の生き物たちをご紹介したいと思います!


      室内池(2014/5/29撮影)




         池が黒いぞ?


        正体はオタマジャクシ!



ヒキガエルのなかまでした。しっぽがなくなればもう大人。
なんとこの指乗りサイズから15cm近くまで成長します(!)



こちらはトノサマガエルの雲状の卵塊です。
ヒキガエルは秋にホース状の卵塊を生みます。


          トノサマガエル



     オオイトトンボ(クリックで拡大)

 左上:ヤゴ    右上:羽化中のヤゴ
 左下:成体(♂) 右下:ペアリング中の成体

オスの眼のように青く光っているのは模様なんです。綺麗ですね!



          アカハライモリ

三瓶のアカハラたちはオレンジっぽい色をしています。
排泄腔(股の下)が膨らんでいるのでオスだと思われます。

私こういった淡水の生物が好きなんです!
室内池には流入河川がなく(つまり湧水)、周囲を外輪山に囲まれているため、
いったいこれらの生き物たちがいつからここにいるのか?不思議ですね。


男三瓶や女三瓶の山頂に登ると、
いくつもの峰に閉鎖されたその中央火口部に、森林と室内池が見えます。




室ノ内へ降りる道は、なんだかとても神聖な場所に踏み入るようでワクワクしますよ。

室ノ内周辺では全動植物が保護の対象です。
自然を楽しむとともに、みんなで大切に守っていきましょう!


そして他にも野鳥や蝶類をたくさん見ることができたのですが...



コイです。

ずいぶん前に人に持ち込まれたようです。
スーッと私たちの目の前に現れましたが、どうも登山客から餌をもらうことを覚えているようです。

実はコイが生態系に与える影響はすさまじく、
池に住んでいる水生昆虫などを掃除機のごとく捕食してしまいます。
室内池のような閉鎖系に強力な捕食者(コイ)がいた場合、逃げ場所がありません。

このコイも今でこそ立派なものですが、以前はとっても痩せていたそうで、
彼らにとっても餌や仲間の少ない場所に連れてこられ、不幸だったに違いありません。

いきものの移動は極力避け、十分気を遣うようにしていきましょう。


また山陰地方では4日に気象庁から梅雨入りが発表され、少し暑さが和らぎましたが、
山へお出かけの際には天候に注意し、事故がないよう安全にお楽しみください。